南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

みちのくの旅 1:山形・仙台

東北旅行第一日目
《主な移動行程》
名古屋→山形→立石寺→仙台

《印象に残ったこと、その他諸々》
一人旅としては最長の5泊6日(一泊は電車の中)のスタートは、先月16日に県営として再出発を果たした小牧空港より、小型ジェットでの空路山形へ。セントレアでないところが俺らしい(謎。せまっ苦しい機内で北アルプス中央アルプスの雪化粧を楽しむ。ちなみに3月10日まで小牧発の航路はすべて通常料金の半額となるので、これを利用。しかも搭乗の際に1000円分の図書カードを進呈され、満足の限り。4月よりジェイエアもJAL表記となるので、これも最後だったか。国内線のみとなった県営小牧の静けさを後に、東北へ向けて無事離陸した。搭乗後、慣れた手つきで安全ベルトを締める他の客と、乗務員の説明を聞く前に悪戦苦闘して締め終える俺の差がなかなか微妙。それと小型機だと、滑走や飛行が自分自身が浮遊しているようで、非常に迫力があった。

山形の現在の気温はマイナス3度とのアナウンスに、ぎゃ、やっぱ寒いんか、と驚き且つ納得した。滑走路の必要な部分だけが除雪された山形空港に着陸。母の言っていた、南太平洋の島々のような、飛行機のない時は住民がサッカーしてるような空港、ではなかった。むしろ県営小牧より利用者が居た。一応羽田やセントレアからも飛んでくるからな。一日16便(往復)の小牧とは、幾分格が違う。意外と陽が強くて、寒さはひどくなかった。でも、先日東北から関東にかけて襲った大雪の為に、積雪は1m弱はあったんじゃないだろうか。少なくとも年に1,2回しか積もらない名古屋の雪事情と比べると、さう見える。羽田と小牧の2便分の乗客のうち山形市内へ観光または帰宅?する利用者約10名未満を乗せて、大型観光バスが山形駅へ向かう。県庁のある市の駅にしてはロータリーが狭く感じた。予定時刻より10分早かったので、駅のコンコースから山形市内を眺めて、仙山線に乗車。

山形駅の〔冬の立石寺〕写真を見て、「今からここへ行くぞ」と思ったが、まったく其の風景だった。雪が多すぎて、並みの革靴では奥の院まで行けないことを悟る。無念。根本中堂のみの参拝となった。門前でおにぎりを頬張っていると、観光客が次第に増えてくる。アイスバーン状の急な階段を登っていくのは決して楽じゃない。俺は一人ずつに対して心配してやる余裕があった(謎。立石寺の宿泊施設街を戻る途中、名物・山寺焼きまんじゅうを発見し、購入。何のことはない。この後の東北各地で〔山寺〕シールが貼ってないだけの同様の饅頭がたくさん在った。でも、この際おばちゃんより人生で初めての肉声東北弁を耳に入れた。万歳。饅頭は仙台へ向かう仙山線快速の車内でモグモグ。

俺の東北玄関口は山形だったけども、一般に言う玄関口は仙台だ。さすが東北最大の都市、さらに楽天ゴールデンイーグルスの本拠地となっただけに、その賑わいは名古屋ほどじゃないが圧倒されるものがあった。まず駅の構造が斬新だった。コンコースが2階で外に出ると、大きな広場があり、広場は1階に値するバスプールの屋根と化している。広場は駅前の交差点をほぼ覆う形となっており、3方向?に延びる道路の両歩道に階段がついている(イメージ説明悪いかも)。名古屋なんかは、コンコースが一階で、外に出るとタクシー乗場と巨大な交差点で、人の集う場なんてメデアワンなど狭いものだ。しかもバスターミナルは、ビル内の見えにくい場所に在って、コンコースから外に出てしまうと、バスの所在が分からない。最後に訪れる水戸駅も同じ構造だったが、随分新しい感を覚えた。

断片的に書こうと思ったのに、長々と文章にしてしもうた。まいっか。まずは、市バスで仙台市博物館へ向かう。翌日が月曜日で、博物館等が休日となるため、とりあえず前日に観ておきたかった。観覧料を支払うインフォメーションでも、東北イントネーションで案内されたのがまた印象的だった。展示は8割近くが伊達政宗関連。戦国史は大好きなので時間をかけて見ていると閉館が迫ってきた。17時ギリギリまで居座って、1時間少々の観覧(長。積雪2〜30cmの雪道を15分ばかり登ると青葉城だ。とにかく雪道は大変で、しかも固まっているところは氷なもんだから滑る。名古屋人の弱みだ、ぇぇぃ。今は天守も何も残っていない青葉城だが、仙台市街を一望する高台の役割を果たす。意外にも仙台って高層ビル多いんだねぇ。5時過ぎだから夕焼けに染まっていく市街が見事だった。感動。城址内を散策して、雪の残る道を広瀬通(夜の街が所々にみられる喧騒感があった)まで苦労しながら歩いて、地下鉄で富沢まで。東京でもそうだったとおもうが、地下鉄車両の連結部が一車両と感じさせないほど一連になっている。この構造は乗客にとって車内がとっても広く感じられる。もともと名古屋の東山線名城線なんかよりは明らかに車幅が広いのだが、それ以上に広がりと他車両との一体感を感じて乗り心地がいい。名古屋も新車両導入の際は、これを考慮してほしいなぁ。と思いながら、足を伸ばして退勤時間帯の地下鉄を味わう。富沢駅は地上にあった。オドロキ。ただ290円は高いぞよ。

一泊目は道中庵YH。電話で第一声に聞いた東北訛りの男性のイメージは崩れ去り、東北特有の?あまりしゃべらない主人であった。最初は、随分もてなしの悪いとこだと思ったものだけど、俺一人分の夕飯にかなり込んだ物を出してくれるし(おでん旨かった)、檜風呂は温泉並みに暖かでしかも朝も這入れる。さらに談話室はネットは出来るわ、ニューヨークタイムズはあるわ、とサービスもいい。寡黙だけれども直接の対話じゃなくて、周りからお客様を包み込んでくれるサービスも、東北ならではじゃないかと思い直した。檜風呂と宮城米のおいしい御飯を求めて、仙台市内4つもあるYHからあえてここを選んだ意義はあった。相部屋で同室となった、大学4年の東京人と成田空港の税関で働く30代の男性は、夕飯を共にしなかったが、狭い一室で睡眠平面の構成を話し合った。東京の大学生は、この日が旅の最終日で、翌朝5時半に早々と宿を発つとのこと。二人とも鉄道の旅を趣味にしている者で、なかなか近親感を覚えた。

つづく