南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

バンザイクリフ訪問と戦争責任

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 先日、天皇皇后両陛下が北マリアナの各地を訪問され、太平洋戦争の戦没者を慰霊された。2週間ほど前には、フィリピン南部で二名の日本兵が生きているとの情報が流れた。戦後60年、今もなおアジア太平洋地域で、国の為という大義を背負い、窮地に追い込まれながら敵の弾、あるいは飢餓・伝染病、さらには手榴弾や身投げにより命を絶たねばならなかった我らの先祖たちのことを思うと、両陛下でなくとも全国民が慰霊をすべきであると感じざるを得ない。
 一方で、政府が内政干渉であると必死に身をかわしている靖国参拝問題。中国と韓国の厳しい非難にもかかわらず、内閣総理大臣としての職を前面に出して参拝を続け、ついには祀られているとされる英霊の遺族会まで婉曲に自粛を求めてくるほどの問題になってしまった。一説には、自民党政権の支持基盤である靖国支援団体の機嫌取りでもあるとされているが、同時に靖国神社という法人の格を向上させるための政治行動の一環でもある。しかしながら、先祖の御霊を政治的な利害関係に持ち込むことは、断じて許される話ではない。当然ながら首相もこの点には言及していないが、同時に参拝そのものの遂行事由についても何ら明確な回答を出していない。
 今回両陛下が戦没者慰霊碑を訪問されたことが、いわゆる天皇の戦争責任を問う声に対して、謝罪や補償の効力を持つとはいえない。なぜならば、A級戦犯とされた政治家、バケツリレーや竹槍訓練で本土決戦に備えた市民、朝鮮や満州に渡り軍の保護下で生活した開拓民、沖縄のような生き地獄を彷徨い集団自決に至った学生や島民、そして勿論特攻隊や太平洋諸島で戦地を転々とした兵士達、それらの全てが戦闘員であり、日本国内に戦争被害者は一人もいないのである。当時の政治は全てを戦争に動員し、当時の国民がほぼ納得できる大義名分が存在したのである。したがって、今回の慰霊は献身的なご先祖様を敬い、犠牲を払った彼らに感謝するものであり、決してこれが侵略戦争に対して頭を垂れる行為ではない。
 靖国参拝に反発する国家ならば、両陛下に対して戦闘員を慰霊するのか、と問うのか。それとも韓国系住民の慰霊に甘んじ、中国も当時は戦闘民を抱えていたため犠牲者を出したことを素直に認めるのか。
結:何れがどんな戦争責任を問えるのか?【2005/07/01/AM】