南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

ロシアの再大国化とその脅威(世弥)−補足

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 ロシアはいずれ大国化し、覇権国となりうるか。補足では、この点を扱ってみたい。
 先稿で述べたように、ロシアは社会主義計画経済を脱し、資本主義市場経済の中で工業国として復帰、さらに国内を市場化するか、あるいはヨーロッパ・アジアなどの市場に参入し、その影響力を高めるかは兎も角、経済的利益増大を追求するであろう。勿論、資源の輸出とも両立させることが同国にとって有益になることは承知だろうが、できれば自国経済発展に利用することも考慮し、枯渇を防ごうとするであろう。その流れを汲むのか、カスピ海油田地帯やイラク戦争での発言力、影響力を高める動きが見られる。市場開拓か、或いは新たな資源供給国・地域を確保する為なのか。
 しかし、ロシアは再び覇権国を目指すであろうか。今はソ連時代と異なり、世界を動かすようなイデオロギーを所持しない。また、世界を制すほどの軍事力や工業力を保持しない。必要に応じて、アジア太平洋地域で脅威とはなるかもしれないが、目指すかどうかは別として、覇権国と見なされる時代は恐らくもう来ないと筆者は考える。理由は、先に述べた資源輸出専門国から離脱し市場開拓国となることと幾分関係している。
 それは、以前に書いたかもしれないが、ソ連崩壊は多様な民族を地方ごとに居住させていた為に、分裂が起き易かったことで進んだ、という点である。無論、イデオロギーの衰退、計画経済の低迷はあるが、アメリカのように多民族・多人種が各州に混在し、特定民族の自治州を形成しない国家では、このような崩壊は起き難い。今の中国がその状態で経済発展を促進させれば、いずれ一党独裁政権に亀裂が走った際、取り返しのつかぬ事になるであろう。ロシアも同じである。中国のように国民の強制移住をはかり、均一化させようとしても、チェチェンなどの紛争多発地区では分裂を招く恐れがある。これに対処するのは、ロシアの強権政治である。イラク戦争での米国の横暴を非難しつつ、チェチェンへの軍事行動や協調政権樹立等の工作を行っている。この強権政治が無効となった際に、重要な資源を失うかもしれない。その為にも、資源供給国から脱して置かねばならないと主張するのである。
結:チェチェンに限らず、旧ソ連諸国に対しても、その影響力は依然大きい。が、動き如何によっては同国そのものが再崩壊する恐れもあるのだ。【2005/07/12/AM】