南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

愛・地球博

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 一部は、筆者の家庭で常に話題となっていることである。周知のとおり、今年3月から9月まで、愛知長久手および瀬戸の地で、万国博覧会が開催され、日本をリードするトヨタや日立などの大企業が出資、中途半端な造成と公園整備に金をつぎ込まれた。地元では、田畑を一時的に潰して駐車場に変え、町おこしに躍起になり、パスポートを購入して観光客を圧倒するほどの常連客を生み出している。
 昨今では1日の入場者が22万に達したとあり、さぞこの暑さで熱射病で病院に運ばれる数も相当なものだろうと推察される。入場者が此処までに達すると、グローバルハウスに並ぶ人の数も当然増えるわけで、暑さに悶えながら入場整理券を手にするために列を作る姿は、まさに難民さながらではないか。尤も、難民状態を引き起こしているのは、常連客であり、毎日わずかな時間で通える地元民である。彼らは、貴重な遠方からの入場者の見学を妨げているのだから、もし熱射病で倒れるようなことがあれば、率先して介護するのは勿論、医療費を負担するべきである。さて、愛・地球博は環境を考える万博として開催されたが、環境保護と資源の保全を実践する企画は空疎で、近隣まで自動車で行くことができ、最新鋭の交通機関は乗車制限で混雑を極める。一方で、世界の不平等に苦しむ人々を、日本の地で実践し、その辛さを身をもって体感し共有するとは、全く平和への道ではないか。様々な世界各地の館で、民族衣装や美しい文化に触れるよりも、各国の現実や環境保護を謳える先進国の幸せさをまず知って欲しい、というのが各国大使や万博など訪れることもできない、いや生活すらままならない極貧国国民の本音でなかろうか。
 海外から木材を輸入し、立派に日本家屋を再現した「サツキとメイの家」。林業が営まれていた山々を世界遺産に指定し、国産木材を激減させながら、マレーシアの無計画伐採を非難して環境保護を謳う。熊野古道の赤く塗られた杉は、山を世界遺産の名の下に奪われた所有者の、環境保護の意義を問う精一杯の抵抗かもしれない。毎日食える国だからできる途上国への横暴は、植民地時代を経てもまだ続くのだろうか。
結:全国の皆さん、途上国の気持ちを共有しましょう。どうぞ、愛知万博へ。【2005/07/18/PM】