南蛇井総本気

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南沙諸島紛争の原点と信託統治―期末レポート序章(世弥)

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 先月はゼミコラムを中心に大量更新したが、夏休みも極力休まず爆発させていきたいと思う。今学期のゼミレポートは、当ページ公開を予定していたテーマに文献引用を加えただけなので、これを章ごとに全文或は要約してレポートでは記せなかった見解なども加えていく。
さて、本題に入る。序章は以下のとおり全文記載。尚、レポート題は本稿表題のとおり。
《 東・東南アジアにおける諸紛争は、冷戦と大きく関与している。南沙諸島紛争は、ポスト冷戦期になり域外大国の関与が薄れたことによって顕在化してきた紛争の代表例ともいえる。石油・ガス埋蔵の可能性によって、現在中国、台湾、ベトナム、マレーシア、フィリピンの5ヶ国が領有権を主張し、現在分割占領状態にある。東南アジアの各国が現在積極的に軍備の更新に努めている現状を考えると、同諸島の領有権問題は緊張要因として注意を要する。
 ところで、この南沙諸島における現在のような係争は、第二次世界大戦終了後に端を発する。即ち、1951年のサンフランシスコ平和条約では、日本の放棄のみを規定し、その後の帰属先が言及されなかった。なぜ、この地域は帰属先を規定されなかったのか。同様に日本領からサンフランシスコ平和条約を経た南洋諸島ミクロネシア)は、アメリカの信託統治領となった。このような処置が、なぜ南沙諸島に為されなかったのか。
 本稿では、サンフランシスコ平和条約の成立過程における南沙諸島の処理を検証し、信託統治化されたミクロネシアと比較した上で、領有問題を再考する。》
 序論は原則無難な事実から客観的に始めるため、本音の部分が若干薄まる傾向がある。このネタは、例のゼミテキスト『新しい中世』より第9章P.256に問題が指摘されている。教授は卒論に関する内容を求めたが、筆者としては最終的に卒論になろうがなるまいが、興味関心のないことは一定量書くことができないし書く意味がないという見識に立って、このテーマを選んだ。尤もサンフランシスコ条約の領有規定には台湾も含まれているため、今回引用した文献をいずれ多用することになろう。レポート全体としては不出来だが、疑問点を文献で調べ考察し、文書化する機会を得られたことでは、この課題を評価できる。【2005/08/01/PM】