南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

かっちん玉まつり

けっこう広域的に知られた、地元神社のお祭り。毎年2月の末に行われるんだけど、久々に日取りを耳にしたので行ってきた。記憶にあるのは中学1年のときが最後だから、実に10年ぶりということになる。あれは、われらY小学区の連中が、S小学区の友人にこの祭りを紹介するという文化交流の一種みたいで面白かった。S小学区は約30年ほど前にY小から分離した校区で、その大部分が大規模団地なので神社に縁がない。密集した屋台をめぐっているとS学区の奴と結構顔合わせたりして、少し自分達の学区が誇らしく思えたのと、小学生の頃見てきた見知らぬ顔の人々の中にもこうやって教えられて来たS学区の連中がいたのかなぁと思ったものだ。
かちん玉というのは、おへそを象った飴の事で、安産と厄除けを司る。細い竹の棒の先に、飴をへその形に巻いて固め、着色料でぐるぐると細い螺旋が描かれている。小さなものから順に、200円、300円、700円、1000円まで。幼い頃は300円のを買ったが、食べるのに2,3日はかかった。普通に頭からべろべろなめるのもいいが、正当な食べ方は、棒に付いたまま机の角などにぶつけて割り砕く。ネーミングの由来もここから来てるんだと思われる。
久しぶりに屋台をめぐってみたけれど、いやぁ変わってないね。ほとんど店の数も変わってないし、出してる物もあんまり変化ない。子供が減って廃れてきてるかと思ったが、まだ大丈夫だ。そうガキが荒れてきてる感じもなかった。普通にお祭りだったから安心した。飴がまだソコソコ残ってたので、一回り散歩してから5時半頃戻ってみた。
少し早いかな、とは思ったが、テキヤの撤収が始まっている。この辺は、やはり時代の流れの影響はあると思う。暗くなるまでやっても、儲けは落ちてきてるんだろう。ある店の前に子供達が群がって、通りすがりの人に「買ってくださーい」なんて騒いでるのを見て、思い切り10年前を思い出した。あのときわれらは、から揚げ店の兄ちゃんとかなり親しくなっていた。もう店を手伝ってるのか邪魔してるのか分からないくらい騒いでいた。5時くらいからその辺に屯って、結局7時までいた。勿論親はキレたが、とても懐かしい思い出。その兄ちゃんが、「ここ何年かは毎年この場所でから揚げ屋をやっている」というので、翌年くらいにまた行ったような記憶がおぼろげにある。けど彼は居なかった。今日、その場所に確かにから揚げ屋は、あった。けれど、もう10年も経ったから顔が変わっていたのかもしれない。店主は違う人のように見えた。紙コップに詰め放題の300円。今は金銭を考えるようになったから、手軽に手は出さないけれど、初心に戻ってみたい気がした。「バナナチョコ食べないと、お祭り来た気しないよ」といわれて、いとも簡単にお金を出していたあの頃。
ちょうどそのバナチョコの有った所に、かちん玉飴の店があった。「よくみると結構違うから、好きなの持ってってよ」というので、えっと思って品定めをしてみた。今日の買い物は、200円。イマドキの子供達の1割くらいかなぁ。でも楽しかった。