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南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

ふるさと“上-京”の旅(4):都電・靖国・佃島

都電荒川車庫

朝の聊天儿

起きて、松屋で牛飯を食って、都営交通(都電・都バス・都営地下鉄)一日フリーパスを買って戻り、談話室でコーフィーとする。淹れていると、外国人女性が英語で話しかけてくる。「今日はどこへ行くのか」というから「いろいろ」。だって都電、靖国、佃島じゃぁなぁ。しかし、ここで言葉を濁し、会話を途切ったらお仕舞いである。
テーブルに戻ると、彼女は日記をつけ始める。マズイと思ったが、そこで諦めたら一生の悔い。切欠ぁ、何でもいい。
「学生ですか?」
「学生に見えますか」と逆に問われて参った。カウンセリングの仕事をしている、林という台湾人であった。けれど、上の一言は決して先を失うものではない。一昨日まで私は学生だったし、学生証を持っている。ま、そんなところから始まって、日本語会話を教えたり、旅の出来事なんか聞いたりして面白かった。漢字文化圏だから、ちょっと分からないことがあれば、書いてもらえば通じる。
しばらくして髪の長い欧人男性が起きてきて、コーヒーにビスケットを浸して食べ始めた。彼はセギスさんという、スペイン人である。昨夜もベッドが隣だった。この3人で、なんと10時の退室期限までダベっていた。観光時間を大切にする従来の旅では、考えられない余裕である。ま、これも旅の一つだからね。YHは宿泊するだけじゃない。とくに国際都市では、外国人の旅人と語り合える絶好の機会だから、それを存分に楽しめて幸せだよ。セギスさん、林さん、ありがとう。またどこかで会おう。

都電荒川線

浅草橋から浅草まで地下鉄、雷門から都バスで三ノ輪橋駅前。これは一応路線を調べてあったが、バス乗り場は難しい。三ノ輪橋駅前に着いたが、ちっとも駅らしい影が見当たらない。なんじゃこれは、と思いながらうろつき、ついに警備員男性に尋ね「そこの道を入って左へ商店街を行くとある」というから、従って行くと昔ながらのアーケード街に突然ぽっかりと電停が出現した。オーバーランでもしたら、買い物客が犠牲になる形だ。表通りに、どっか立て札でも欲しい。とても分かりにくい。が、面白い位置でもある罠。
駆け込み乗車で、カード挿入口にフリーパスを入れようとすると、運転士に手で遮られた。どうも、一回目をどこかで通せば、都電・都バスは運転士に見せるだけでいいのらしい。やっと乗れたぞ、東京都電。住宅地の中を縫うように走っていく。どこで降りよう、迷ったが、荒川車庫かな。
「電ジャック」というドラマがあった。爺が4人、荒川車庫の都電に立てこもって問題になる奴だ。その辺だけ覚えている。もうあんな古い型の電車は残っていないだろうが、車庫を一回りしてみる。電車がまともに覗けるのは、どうやら正面くらいなようだ。電停の側から3,4両の電車を収めてみる。(上の画像)
車庫を過ぎると、ごちゃごちゃした都会の裏通りを進んでいく。新宿に近いから細かいところを停まるのだろうか。急な坂を上るところは東京らしい。新宿にかなり接近した後、再び東へ折れて早稲田。路面電車らしいところが撮りたかったので、折り返しが発車した瞬間を車どおりの少ないときに撮った。なかなかいい感じ。

早大通り右往左往

適当に歩けば靖国神社に出られると思った。が、それは甘かった。早稲田大学のキャンパス前を抜けて、住宅地に迷い込んだ。方角を定めて、かなり滅茶苦茶に歩いたら、やっと地下鉄に乗れた。

靖国神社参拝

A級戦犯が祀られているとは思えないほど、俗な人々で溢れていた。せめて境内から屋台を一掃して、静かに手を合わせたかった。散る桜の花びらが相応しい。遊就館を訪れる時間はなかった。惜しい。
市ヶ谷で電車を降りたが、九段下のほうが近いんだね。

佃島

これはNHKの、昭和の懐かしい風景を映像でつづる番組で出てきた、元祖佃煮の老舗に行ってみようという企画。あんまり腹が減ったので、森下駅で乗り換えの際にパンを買った。今日の食はテキトウ。
月島で降りて、かつての佃島の渡し場でパンを食す。川沿いに数軒の佃煮屋さんが残っている。そのひとつ、「天安」にて一箱かって終わり。

追いつけ、追い越せ、追いつかれ

全体的にこの日の日程は焦っていたね。佃煮買ったらすぐ地下鉄に乗って大江戸線を蔵前で降り、浅草橋方面へ歩く。預けてあった荷物を受け取り、JR総武線に乗り東京で東海道線に間に合うか。いや、並行して走る京浜東北線なら品川までは追いかけられる。これが誤算で、東京過ぎてしばらくはこっちが勝っていたものの、どこかで追いついても乗り換える時間はない。馬鹿なことを考えたものよ。結局計画より大幅に遅れて帰った。

おわりに

東京と上州。長年行きたかったなぁという所を余さず満喫できた。卒業旅行に相応しかったんじゃないか。一人旅の集大成って感じ。