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南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

安阳-南阳編4 (南阳第一天:府衙,白河游览区,医圣祠)

引き続き列車の中。時刻表では2分のはずだったが、新乡の停車時間が異常に長い。快速といえど、しょっちゅう追い越しを受ける。停車駅でもないところで2,3本見送ることもあった。新乡では出入は少ない。
郑州に期待したが、さすが全国有数のターミナル駅。下車も多いが乗車も劣らず、結局状況は改善されなかった。しかも鬱陶しいのが、10数分おきに訪れる車内販売で、通路を確保するだけでも大変。寝ている人の足をどけたり、起こしたり。郑州を過ぎたら来なくなったが。
郑州からは陇海线に入り、進行方向が変わる。初日に買う予定だったK183は郑州を通らないで、焦作・济源経由で洛阳に至る。このほか、郑州からさらに许昌・漯河まで南進し、洛阳を通らないで南阳に至るルートがある。郑州から乗った学生が、许昌はまだか?と騒いでいたのはこのせいである。この列車は许昌を通らない上、停車駅は新乡と郑州のみ。0時半に郑州を出ると5時半の南阳まで停まらない。因みに終点は湖北省宜昌(Yichang)。
安阳で買ったバナナを食って凌いだが、本当に無座の夜越えは過酷で、早く着けと祈るばかりであった。人の僅かな動きを盗んで、漸く4時頃床に座り込むことができ、30分ほど寝た。目が覚めると、早々下車準備をする南阳人が見える。中には3時頃とか、列車が減速するたびに荷を下ろすのもいたが。外は朝もやが掛かって明るくなろうとしている。あぁ、やっと着いた。デビュー切符は回収されてしまう。
この有様だったから、南阳一日目は眠くてだるくて困った。特に早朝、駅前広場でボケーッとしていたり、目的とは正反対の公交に乗ってしまったり、寝ぼけ眼で転がり落ちるように下車したり、工業地区を彷徨したりした。朝飯の食欲もわかない。只フラフラと歩く。

府衙

頑張って駅まで戻って6路の正しい方向に乗車するも、またも「府〜」の音を聞き違えて、市政府前で降りてしまう。かなりひどいので、これは観光を無理しないで白河河岸で休息をメインにしよう、それで時々近くを見に行けば良いと思った。特に武侯祠は大事だから、一晩休んだほうが良い。汉画馆もその近くだからセットで。
まずは8時半、府衙にたどりつく。漢代よりここに南阳府が設置され、元代に府署が建てられて明清代まで続いた役所跡である。南阳(宛城)は東漢時代は当時の大都市だったらしい。歴代知事の名と顔、著名人物には功績を示している。本殿はやはり廟になっている。これは未完成で、牢獄などさらに整備・復元をしていく模様。後で地図を見ると、この府衙は南阳旧市街の西端で府衙開発の為この一辺だけSMを伴って整備したらしいことが分かる。南阳市の構造は旧市街に手をつけないで、その西側鉄道駅までの空いたエリアに新市街を建設している。それでいて旧市に再び手をかける必要もない。せめて今のような新市との接点だけに留めるのが良かろう。府衙の中はまだ参観者も少なく、ひんやりと涼しい休まるところであった。門票20元。

白河游览区

まだ地図を買っていないので、テキトー当てずっぽで河岸に行きそうな公交に乗って白河游览区。ボート、遊覧船乗場があって、付近には休憩所が溜まってるのなんか日本と同じ。対岸には遊園地もある模様。川幅も意外とあって、水上バイクなど余裕でやれるし。
あまり陽の当たらないベンチを探してウトウトを試みるも、落ち着くのは難しかった。河岸を散策して、漸く卧龙大桥の袂に涼しい所を発見。5,6人ばかりの子供たちが青空絵画教室を受けている。描きあがった絵に、先生らしき男性の評価を一人一人もらった後、アイスを買いに走ってゆく。日本でも見られそうな微笑ましい光景である。少し疲れがとれ、またアイスが欲しくなった。

医圣祠

バスを降りた所まで戻って、コーラを一本買う。がぶがぶと無茶苦茶に飲み干して、18路のバスを待つ。このバスは祠の前は通らない。医圣祠路口で下車。東へしばらく入ると、左手に医圣祠。観光地といえばそうだが、見た目変な建物である。白い土壁の切符売り場と称するものがあるが、中は人影なし。昼時で他に見学者はなさそう。思い切って無銭入場を試みると、入ってすぐに脇から人が現れ、20元を要求してきた。初めは意味がわからず通過しようとすると、「見るんだろう」と改めて要求するから払う。票はなし。
一応持参した地図にも載ってる、この医圣祠。南阳は四聖と呼ばれる4人の偉人を輩出していて、そのひとり医の聖人である张仲景がここで祭られている。智の聖人は、かの有名な諸葛亮で、明日訪れる。100m近く、ひんやりとした木陰の碑林が伸びて、その先に拝殿がある。朝から牛乳とコーラとアイスできているので、さすがに空腹が襲ってきて、奥を一通り眺めた後は、その木陰でぼうっとする。祠よりも碑林のほうが充実している景点である。
再び仲景路に出て、露店式の軽食屋で凉皮一碗を食べる。辣椒と酢でからめたトコロテンみたいなもんである。極限まで空かすと、この量で満足できる。そして暑い時期だから、冷やし中華のようで旨い。3元。
食べながら待っても、食べ終わって待ってもバスは来ない。仕方なく南へ歩いて交差点を曲がって、新华路上で待つ。昼寝アワーは移動に苦労するうえ、この時間帯は最高気温である。同じように草臥れてバスを待つ人民が2,3人あった。

もうろう徘徊と酸っぱい葡萄

火车站に帰り着いて、キオスクに地図を見かけるも買わない。水気が欲しくてアイスボックスから飲料を取り出し、金を出すも売ってくれない。萎えて、葡萄売りから葡萄を一塊買う。これが失敗で、ちっとも甘くない。歩道の段差に腰を下ろし、その酸っぱい葡萄を食う。おそらく寝不足の体力低下にからんだ熱射病と思われる。目の前をバスやタクシーが通っても、座っているしかなかった。日陰で座れるのがそこしかなかったのだ。ひと房の半分ほど食ったところで動く気にはなったが、如何せん一元のバス代がない。街路樹のしっかり茂った新华路をフラフラ歩く。南阳の中心部はこうして街路樹が根付いているから美しく見える。是非とも拡幅工事などで切ったりしないで欲しいものだ。直射日光をさえぎり、アーケードの役割も果たす大事な存在である。
歩道上にやっと水売りを見つけて小銭を確保。公交に乗り、白河南岸へ。土手に転がり、再び木陰で葡萄をプチプチ。今晩の宿はどうしようかな。
(再び火车站に戻るバスが非常に混んでいたので、どさくさに紛れて車掌に運賃1元を払わず降りた。ニヤリ)

エロ接客の駅下招待所

この一泊は、河南旅行の中でもかなり印象が深い。火车站广场の真下に集まる招待所群(飯屋群でもある)の右端にあたる一つ。どれでもいいからと、当たりをつけて近づいたところまではノーマルだ。簡易ベッドが10元で、個室だと20-30元と言っただろうか。登記で日本人と明かしても、宾馆へ連れ出すどころかさらに熱っぽく50元のVCD付部屋を勧める。今夜はとにかくゆっくり寝られるだけで良かったから、あんまり面倒を起こしたくない気もあって二つ返事をしてしまう。が、その後がコワイ。エロDVDを持ってくるから10元出せといい、まぁ機会だから観るかと追加で払う。部屋に上がって一息つくと、マジでピンクDVDを3,4枚も持ってくる。暑いのでとりあえずエアコンを入れさせて、少しパニくりながらモノを確かめていると、またそのオバハン上がってきて、「足りなけりゃもっと買ってこさせるから」と言い出す。いや、とりあえずこれだけでいいから、と追い返す。「女の子呼ぼうか」まで飛び出した。さすがに買春までマズイから断ると、「大の男子漢が..」ときた。服務ったって金はかかるのだから、何を言おうと断る。やっと下りていってホッとする間もなく、はたまた襲ってきて、小姐の勧誘。「傍に居るだけでも」「話し相手にすれば」「顔見るだけでも見ないか」。なんと部屋の前まで来ていて、扉の陰からコッソリ盗み見た。普通の田舎娘だが、身体の仕事をしていそうな雰囲気がどことなく感じられた。それでも最後は首を横に振ってやる。ようよう退散していった。
部屋に鍵はなく、エアコンもオバハンが管理している。トイレ、シャワーは階下。50元の対価を信じて荷を置き、下の飯屋で烩面をすする。この旅行、5日間のうち3日烩面を食している。スープの味はどこも違うから毎日でも構わない。疲労もかさみ、体力的に散々な一日であったが、この晩飯で満足感を覚える。
DVDは傷物でところどころ画質の荒れる部分があるものの、一枚は完全に視聴できた。陰部モザイク付の国産モノなようである。もう一本は映像がほとんど死んでいるが、日本のだとわかる。久しぶりに水入らずの十分な目と股間の保養をさせてもらった。昇天してそのまま眠ってしまい、目が覚めるとエアコンが切られていた。締め切られたサウナ状の部屋で耐え耐え再眠。
つづく

(map:南阳市(府衙,医圣祠,白河))