南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

西安見聞路の旅(3):兵马俑,秦始皇陵

火车站から临潼(Lintong)へ

残念なことに谭君が風邪でだるくて行かれなくなったので、私一人で出発。603路で火车站。まずは気つけに朝(8時頃)マック20元。さて、兵马俑へ行くバスはどこから出ているのだろう。西安在住の友人に聞いても、なしのつぶて。マックからそのまま東奥へ行くと、ワゴンやミニバスの溜まっているところがある。客引きにつかまって、向かいの旅行社へ連れられ20元の乗車券を買う。ところが乗降口の前で説明を聞くと、たしかに兵马俑へも行くが、秦始皇陵や华清池など5箇所くらいの景点を含むツアー形式で、ここでさらにツアー代金を払わないと乗れないのである。余分なところも含めてそんなに沢山一日で行きたくないから、と抗い、「一箇所そんなに見るところないよ」と服させられても断って、結局さきの旅行社へ払い戻しに。「また考え直してくるから」と言っておいた。で、ツアー利用じゃなかったらどこへ行けばいいのだろう。このツアー広場と逆方向に行くと、西安汽车站の出入口(バス用)があって、ここからも城壁をくぐれる。駅広場をもぐるように环城北路が走っているが、この西側のスロープを越えるように跨線橋があって、その先に市バス乗り場が見える。ここかなっと見に行って停留所をチェックしたが、たぶん全部北方向行きだ。環城路に沿ってスロープを下り、駅の東側に出る。と、頭上にバスの集まりが見えた。ここが306路临潼方面行きのバス乗り場。個人旅行の皆さん、駅を出たらまず城壁をくぐってしまわないこと。駅舎と城壁に挟まれたまま東へ行くと、この乗り場がある。ちょっと回り道したね。
306路(游5も車両の色が異なるが同じ路線)は西安公交の1路線であるが、大型観光バスの装い。乗り込んで発車してから車掌が切符を売りにくる。兵马俑まで片道7元。終便が18時半までだとか、お勧めの利用法だとかしゃべったがよく聞いてない。郊外へでるまでは渋滞が激しい。有料道路を経由して、临潼に入ってからは博物館や华清池など小刻みに停車し、終点が兵马俑。

兵马俑

下車から入口まで結構ある。広い駐車場を抜け、食堂や土産物街を経て緑地*1を足早に横切るとゲートが出現。今回は春節間近ということもあって、一年を通じて最も安い入場料期間(冬季65元)の、さらに安くなる手段を用いて(学割使用で35元、夏季の4割)参観できた。西安の学割攻めはお得。チケットは磁気カードで、裏面にブラザーの広告(ぉぃぉぃ)。自動改札機を監視されてるって何か変だな。すぐにガイドさんが駆け寄ってくるが無視。「いにしへのみち」みたいな散策路を辿って、漸く遺跡と博物館の域へ。一息トイレ。
入口は閑散としていた景区も、ここまでくると外国人と中国人の3:7くらいで結構人がいる。まずは概観をつかむべし、と右手の大きな博物館へ。ところが柄ばっかりで、でかい空洞の周りに展示室がある。自然と順不同になって一つ一つ見てまわる。ときどき喧しいガイドの解説にも耳を傾ける。でも兵馬俑は実物をみたほうが感動できるな、と割とあっさり出た。
景区内で最も大規模な遺構、第一坑。東西230m、南北62mの発掘現場そのままが屋根で覆われている。見学者はまず進入一番兵馬の大パノラマを愉しんだ後、外周をまわって掘り出された人形と遺構を仔細に見ることになる。見にくい注目どころは矢印などを設けて、中国語と英語の解説をつけている。まだ東3分の1くらいは発掘途中で、掘り下げられていない台地と組み立て修復の済んでいない兵馬が転がっている。整然と並べられた兵馬に圧倒、魅了されるのは否定できないが、こういう状態の保存と公開も、調査の大変さを物語る大事な資料である。それにしても第一坑はなんといっても規模だね。個々の表情がどうのというより、周囲何キロもある古墳の周りに整然とめぐらされた埴輪を、人間と車馬に置き換えて(寧ろ埴輪が置換なのか)表現したっていう極みが力をもって感じられる。また、こうして実物を目の当たりにすると、テレビで見るような、クレーンで吊り下げられた自分で見下ろす感じのが自然と想像できる。一行によっては北一辺しか見ないのもあるが、私は2周ほど丹念に見て次の坑へ。第二坑との隙間にも置物屋が屯している。こいつらは園内至るところに現れ、もしや便所にもと思ったりする。さておき、第二坑。こちらと第三坑は、第一と違ってより博物館の様相をなしており、中央に巨大な正方形に近い遺構と周辺部にガラスケースなどの出土品ピックアップ展示の複合的な構成になっている。こちらには遠くまで長々と列を成す兵士の姿はなく、布陣した騎兵騎馬のまとまりや土の掘り下げられた状態などを見ることができる。むしろ人馬は自分の目と同じ高さにいて、表情や衣服など細部にまで工夫の凝らされた様子が手にとるように分かる。それでも一周半端なく広いので、手すりに沿って遺構を覗いていると疲れが出てくるかもしれない。発掘作業経験者にはどんな些細な箇所も面白いものだけれど。第三坑、順路的には一、三、二と見てくるとスムーズにゲートへ帰れるのだろうか。最も小規模な遺構展示場だが指揮車両の出土場所として興味深い。第二と同じように深く掘り下げた遺構(作戦部屋などもあるらしい)とパネル展示の空間だ。ここは異様に英語の解説が響いていた。割と近そうなところに始皇帝陵が望めるも行き止まり。レストラン軽食堂は閉鎖されている。ちょうど昼過ぎだし何か食べよう。

昼飯でボッタクリに遭遇

久々に水饺がいいな。さきの土産物街にある一軒の食堂。ガラス質の空間に清潔感あり、客はなし(ま一時近かったからいいかと)。後から考えると、ツアーで来る人はアテンダントがレストランに連れて行くし、個人でも中国人なら感づく。引っかかるのは外国人の個人旅行者なんだろうなと。実際私が座った後来た親子3人は、空気読んで去ったし。おばさんが出てきて、椅子をあつらえて電気暖房を近づけてくれて、ちょっと高めのお茶を注いでくれる。水饺はあるかと聞くと、メニューを指して「ここに(餃子と)書いてあるじゃない」。同じ頃、男性が一人同様に水饺を頼んだ。しばらくして私が食べ始めるかいなかの頃、店の知り合いらしい男が入ってきてストーブの傍で飯を食いだした。こいつが私の身なりを見て、「日本人か韓国人か」と英語で聞くので店に国籍がバレた。こいつも、一緒に餃子を頼んだ男性も去った後で、一杯の水饺(味は良かった)を食べ終えた私は、勘定にする。
おばさんが注文の紙に、「水饺88元、茶25元」と書いてみせる。一瞬青ざめたが、「そんな額になるはずはない」と支払いを拒否。はじめにメニューを見たとき10元と書いてあるのを見ているし、さっきの男性が10元と言われたのをこの耳で聞いている。するとおばさんは改めてメニューを持ってきて見せる。そこには英語のルビが付された料理とともに、高額の価格が並んでいるのだ。外国人用に作成しているに違いない。「払わん。」この一点張り。100元、80元とわずかずつ落ちてきたが、50元で止まった。「いくらなら払う」と聞かれて、「10元でしか譲らない」と。だいたい10元でも高すぎで、河南では6元以上の水饺なんか食ったことないぞ。それに日本人として譲って考えてみよう。ラーメン一杯700〜800円として、中国元に換算すると約50元。水餃子にそれより高い額が払えっか、あぁ? もしこの類の飯屋に引っかかったら、「払わん」と押し通しながら落ち着いてこう計算してみよう。きっと安易に金を出したりはできないはずだ。おばさんも2人目が出てきて、どう譲っても30元よりは下げないと言い出したので、じゃあ20元にしてやるから始末つけろ、と10元札2枚放る。最後の捨て台詞「中国人でも10元払うのに」が聞き捨てならない。現地人と外国人は違うんかい、コラッ。気持ちを抑えるべく、〔水饺10元、お茶5元、暖房などの環境サービス5元〕と配当する。ホントはお茶も無償であるべきだぞ、頼んでないんだからな。河南に居るときは分からない、このあからさまな何倍もの高額請求は勉強になった。

秦始皇陵

ということで、腹は満たされたが気分は良くない。数日間、人間不信に陥った。兵马俑から1.5kmということなので、客待ちするタクシーを無視して歩き出す。20分程度か、全然遠いと感じなかった。手楽器?を売りさばくおばちゃんたちの脇を抜けて階段を登ると入口。珍しく学生証が利かないで、そのまま20元(世界遺産指定としては高くない)。ここはほとんど参観者がなく、兵馬俑との微妙な距離を反映している。まず、真正面にそびえる陵墓に登るべし。ピラミッドのように四角に近い形をしている。なだらかな階段が徐々に急になっていって、でも苦にはならないところで頂に着く。時折階段脇からおばちゃんが陵墓の茂みへ入ってゆくのは、どうやら畑があるらしい。世界遺産の保護の仕方が兵馬俑と違って寛容である。また置物売りも全然いないし解放感に包まれる。頂上には、始皇帝陵の石碑と、展望台があるだけである。展望つっても360度田畑のパノラマだし、たぶん秦代と変わらないのじゃないか。陵を降りて、隠れたような解説板を読みながら反時計回りに陵墓を一周。たいていは園内バスでぐるっと回ってしまうところ。周遊道から一歩踏み入っても雑草オアシスで、指し示すものが見つからなかったり、展示ケースのガラスが割られて外部に転がっていたり、凄惨な有様だった。古墳一周散策と考えれば質はいいほう。繁忙期はショーなどもあるらしいが。17時前後、游5に拾ってもらって市内へ戻る。

五丈原への切符*2

14日に買う予定だったが先延ばしにしたやつ、駅に寄るついでにそろそろ買おうかなと。蔡家坡(Caijiapo)。Caiの四声分からないけど適当でいいや。「18日朝の蔡家坡まで。」聞きかえされて一瞬ひるんだけど、何とか通じた。今回もLで、西安と宝鸡(Baoji)を結ぶ近距離Lが一日に5,6往復しているらしい。ということは帰りもこれが狙えるな。〔列車情報:L7359次 西安07:35発-蔡家坡10:13着 硬座10元〕。始発なので席は取れるが空調なしだから10元だぞ。絶対バスよりは安くいけるな、うひひ。蔡家坡駅からは実際に鉄路で行った中国人のブログを読み込んだので何とかなりそう。

芙蓉饼

火车站から钟楼へ。バス停前に小摊儿を構えている芙蓉饼が美味そうだったので一つ試す。タコスのようなペラペラの皮に、煮込んだ豚?肉を刻んだのやゆで卵と豆腐皮、野菜を包み込んだ食べ物。これが当たりでとても美味い。ジューシーで、癖のある香辛料もなく、3元と手ごろ。買う者のなかなか途切れない訳がよく分かる。これも何度か食べたいと思う。頬張りながら歩いてYHまで帰る。
一日休んでいた谭君は、明日の列車で帰郷するという。結局彼と話せたのは1日余りであった。
この日はロッカーの鍵を一時紛失してあわや弁償とも成りかけたが、財布に挟まっていて難を逃れた。面倒なので鍵を返上した。今日は三隣亡か?
つづく

*1:兵馬の置物押し売り屋の巣窟。中国語・韓国語・日本語と手かえ足かえ声かけてくる。人数の居るところでは囲まれないように注意。

*2:経緯については13日の記事参照。