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南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

西安見聞路の旅(7):钟楼,鼓楼,华清池,丝绸群雕

全球大旅小旅

11時くらいまでに部屋を出ればいいらしいので、钟楼と鼓楼は近いし、まだ荷物を置いたままでかける。先にも述べたが、钟楼の入口は交差点の地下にあって、たしかロの字型の北辺側にあたる。钟楼と鼓楼はセットで入場券を買える。やはり学割で、30元。

钟楼

南门は宿のあるところだから除くと、この钟楼が一番回数多くアクセスしたと思う。それなのに登るのは最終日にして初めてである。地下道を抜けるといきなり交差点の真ん中に立つことになる。逃げ場のない離島である(笑。検票されて土台に登っただけでも、充分見通しは良い。ぐるり一周庇に干支が刻んであって二十四節気が書かれていたのは钟楼だよな、たぶん。楼の中は、一階では大小さまざまな鐘を並べてあって、タイムスケジュールにより演奏が行われるらしい。二階は、西安城の中心に立って四条の大街を望む場所。なんか4つの方角のうち3つにマクドナルドが目に付くのが面白かったり。本来は4つの門が見通せるためのものなんだけれども。台上には有料で鐘を突かせてくれるところもある。金を使わせて鐘を突かせると。今つくと除夜の鐘みたいだ。
钟楼と鼓楼の間には洒落た歩道があって、海外ブランドの高級げな店が軒を連ねている。この一角は欧米系外国人の密度がやや高いエリアでもある。私が滞在した時期、鼓楼の東側の広場、ちょうど回民街の入口にも当たる場所で、大きな反射式望遠鏡が一台でて市民観望会を毎晩やっていた。冬ならたぶん木星の観ごろだと思われ。ただ、後に記す鼓楼の構造上、この空間は乗用車の通行が多く、人が集るには苦しいものがある。

鼓楼

鼓楼は西大街と北院门街(回民街)を隔てるように建つ。しかし、钟楼と違って土台には空洞があり、一応二つの道をトンネルでつないでいる。ところが現在はその狭さからか使用されておらず、南北両側から柵で封じられている。そのため楼北側の土産屋店街などから出てきた車は皆、鼓楼を避けるようにして側道から西大街に抜けるため先述のように混雑する。あのエリアを完全に歩行者専用道路にしてしまわないから、中途半端に混雑が発生するのだ。とくに鼓楼の辺りは屋台も出て手狭になるのだから、車両進入自体が無理な話なのだ。という、天下の大交差点よりも穏やかでない足元に悩まされている鼓楼である。
問題の広場側から左右に分かれた階段を登るのが入口。こちらは正面に高層ビルがあって、東西も西大街より北に少しめり込んでいるので、見通しはさしてよくない。本来鼓はつるされていたらしいが、今は日本でもよくみる大太鼓が置かれている。楼内は鼓を含めた打楽器の陳列館になっている。

YHチェックアウト

ロッカーキーは紛失未遂の際に返却しているので、デポジットの100元を返してもらって退房。この100元が残りの旅費に充てられ、一日6元という不思議な支出総額を生み出した。市バスで駅へ行き、朝と昼を兼ねてマックで食事をとる。体調のよくないときは、ケチらずカロリーも高いものを食うべきであると。

华清池

この方面はもう勝手が分かっている。兵馬俑までの途中にあたるので、意外と早く着く。公交306路、片道6元。坂道の途中のような景区前下車。門は三ヶ所あるが、バス利用の場合津阳门が最寄。学割にて半額の20元。最後まで学生証さまさま。
华清池は、骊山の北麓に位置する温泉保養地。温泉は2000年以上前に発見され歴代の王朝によって離宮が造営されたが、とくに唐代の华清宫が有名。玄宗と杨贵妃のエピソードがいたるところで見られる。温泉で美肌を磨いたとされる杨贵妃の裸身が各所に立っているが、豊満すぎずリアルに近い像を探すのも楽しみ(ぉぃ。
名の通り景区内はその大部分が温泉の湧き出した幾つもの池で、それらをつなぐように楼閣がある庭園。屋根の下はほとんどが古代の温泉施設で、今にも香の漂ってきそうな浴槽が干からびて残っている。今で言えばスパランドみたいに多種多様な浴場があって、まったく豪華絢爛を極めている。景区中ほどには長屋状の日帰り個室温泉入浴施設もあって、戸口で勧誘されたけれども、堪能できる時間ではないし勝手も分からないので断った。その代わり、望湖楼の前で温泉の噴出口があり、5角払ってお手を清める。この季節、手だけでも温まると身体全体まで暖がゆきわたる。こういうところに足湯を造ると日本人に受けると思う。
また近代でも、西安事件に際して一時此処に滞在していた蒋介石の執務室が再現されている。彼の塑像がなかったのは単に怖いからじゃなくて、塑像化してはいけない人物だからか?。この辺り、骊山の裾がせまってきて少々高い部分があり、池々を望むことができる。
園内最大の池、九龙汤周辺は何やら工事中で、チケットを見ると「大型山水情景舞剧-长恨歌」とあるから、白居易の《長恨歌》を湖上で上演するための準備らしい。この池の北側にある飞霜殿(たしかこれ)は、大きな展示館で、华清宫の地理歴史やまつわる物語を精巧な模型や塑像などで見ることができる。現在の景区はほんの一部分で、宮殿は園より北に広がる临潼镇市街地まで及んでいたことが分かる。
午後4時くらいに、また306路に拾われて市区に戻る。华清池は他にも待ち客があるから容易に停車してくれる。この路線、西安市へ帰る便は必ず临潼汽车站へ進入して数分間客待ちをするスケジュールになっている(往路は進入口付近で一時停止)。

丝绸群雕

まだ晩御飯までも時間があるので、入場料も開園時間もない箇所を一つ。城西客运站へ向かうバスに乗り、城壁を西へ出てさらにずんずん行くと降車地点が分からずに結局バスターミナルまで乗ってしまう。帰省ラッシュの開始で混みあうターミナルを背に大庆路まで戻ると、往来する車線を大きく隔てて公園になったところにラクダの隊商を象った彫像群がある。ここは唐代に开远门のあったところで、西域との文化交流および交易の道シルクロードの起点である。せっかく西安に来たんだもの、シルクロードを絵にした物体を見ておきたかった。それだけ。帰りのバスも無茶苦茶混んでいて、若い娘が「白い車はキモい」とか言っているのを聞いて、ああ文化が違うのだなと思った(謎。
これで西安における観光はすべて終了した・∀・。一つ心残りなのは、駅前に电车(トロリーバス)の架線があるのに、一度も架線を使用して走っている車両を見かけず乗れなかったことだ。初日に見たような気がするのだけど自信がない。最近廃線になったのかな。あぁ残念。

ラスト泡馍とお土産

帰りの列車が23時過ぎと遅いので、午後までたっぷり観光してもいいかなと思って組んだつもりだが、結局18時には駅周辺にいるしかないし暇になってしまう。汽车站の南裏にあたる、長途バスが溜まった道沿いの食堂で、西安滞在最後の羊肉泡馍を食べる。ここは食後の後払い。もし日本でこの立地だったら、乗り継ぎの立ち寄りで名物を食っていける店になるんだろうなと。しかし泡馍って牛でも羊でも何で一碗15元以上と高いのだろうね。3回食べるともう病みつきになりたいのに、値段がちょっとブレーキ。开封でも見かけたことあるけど、まぁ本場だからね。3度も食えたら出来過ぎ。
この春節前の時期、大量では済まされないほどの人間が移動するので、候车厅がいくつあっても足りない。何しろ前日から进站して候车厅で待つ者もあるからだ。そこで、进站制限を図るため列車番号によって入れるものと入れないもの、外に待合区域を設けるものに分ける対策を採っている。これははじめて見た。駅前の空間が上海や郑州よりも広いからできるんだろう。臨時の大きなテントを張って、車番の札を立て待ち客を固めておく。そして、改札時刻直近になって駅員がまるでツアー添乗員のようになって、ぞろぞろと駅舎に引き連れるという仕組みだ。夏場はむしろこんなことにはならない。蒸し風呂みたいな駅舎に入るよりは、外の広場に待機する客が圧倒的に多いからだ。駅舎内が混雑すると不衛生だけでなく、喧嘩や犯罪の発生率も高まる。と、理解を示すのはいいけれども、実際冷え込んでくる屋外に椅子もなく佇むのは楽ではない。不運なことに私も例に漏れず、その屋外待機場に振り分けられる列車であった。屋外待機列車一覧にL126を見つけ、札の立った区域を探し当てると萎えた。マックとかに入っているほうがいいと言われたが、これ以上金使いたくないしな。
暫く周辺をプラプラして、商店でお土産を冷やかしていたら、龙须酥という菓子が多く売られていたので一つ買う。帰ってからずっと冷蔵庫にしまっておき、新学期のときに同学と食べた。名のとおり龍のヒゲに覆われた、相当パサパサした菓子である。芋やイチゴ、チョコなど何種類か味があるので、興味のある方はどうぞ。

23億人の大移動に参加

中国の人口はまだせいぜい10数億人であるから、これは延べ人数だと思われるが、まったく良い比喩だ。末は人間観察しながら待機場にて休息。22時過ぎくらいかな、やっと屋内に入れる。それまでに何度も思わせぶりな動きがあって、その度に人民が立ち上がって並んでみたり荷物を担ぎ上げたりして徒労に終っていた。ところが入ってみると、あぁこれはまさに戦場だなと思ったものだ。広いはずの待合室が人で埋まって、大人の私でも天井しか見えなかったり、押しつぶされそうなくらい詰め込まれたりした。狭い箱のはずの列車に乗って、やっと余裕が持てたくらいだ。さきほど恐れたとおり、入って間もなく軽犯罪が発生し、設置されたベンチの背を平均台のように伝って警官が犯人らしい女を追い詰め、引っ立てていった*1。部屋の外では罵声が響いた。赤の他人が鼻突き合わし、何が起きてもおかしくない。こんな空間に日本人がいるとは誰も思ってないのが逆に超越した感あり(笑。
こんな混雑状況で、しかもLなのに(始発とはいえ、だ)、たった20分程度の遅れで発車したのは出来が良い。Lなので、一番質の悪い硬いビニールシート。ボックス席の通路側だったが、バッグを抱きかかえて休む。8時過ぎなら明るくもなっているだろう、と夜明けまでは眠り込んでも良いと割り切るが、何せMLながらでもうまく眠れない南蛇井であるから寝れはしなかった。
つづく

*1:逃げる者も追う者も殺気立って、一般人には目もくれないのが結構怖かった。