南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

人民の大量輸送

都市間鉄道について、また少し考えてみる。昨日は、これは河南省である、という大変大事な前提を忘れていた。これはとっても重要な前提である。河南省といえば、まず人口が多い。次に所得がそれほど多くない。そして最後に自動車保有がまだまだ途上である。ということは、長距離バスよりも大量に乗客を輸送できることから、運賃がさらに格段に安くなるこの輸送機関は、今一番必要とされているのである。車が保有できなくて長途バスが高いとなれば、京广、陇海2主要鉄路沿いの都市ならば、長距離輸送が目的といえど近距離移動でも依拠されることになり混雑の原因となる。これを分流させるためにも都市間鉄道は有効なのである。したがって今は道路交通に対してまったく影響を与えないどころか、河南の経済状況を踏まえれば人民に優しい交通機関となりうるのである。
ただし、これは今現在を見た上での施策であり、長期的展望ではない。いかに遅かろうとも人民の所得は向上し、一家一台の時代がやってくる。そのとき、個人で自由に行動でき、プライベートが保障されることから、公共交通である都市間鉄道を見捨てることになろう。そのときから改めて郊外駐車場計画を遂行しても、遅くないかもしれない。それでも、経済発展が遅いからこそ、効果が即出し長持ちするという、まったく河南とは面白いことがやれる地域である。
よって、現在の河南における交通政策は、自動車移動による交通の麻痺を前提としていない。むしろ都市内においても郊外においても、バス交通による輸送の限界を前提として進められていると考えることができる。都市内で渋滞もようやくみられるようにはなってきたが、郑州ですらさほど深刻という印象は受けない。そんな都市が敢えてこの時期から地下鉄の建設に踏み切ったのは、非常に疑問を呈するところであったが、やっと謎が解けた。前提が常識と違うのである。これは将来の交通麻痺に対する準備ではなく、今ある状況の解消に目が向いているということだ。したがって、都市内においても郊外においても、競争による現行交通の淘汰や整理は行われず、両者が同時に活躍する、いわば選択肢の追加となる可能性が高い。すなわち個人営業の長距離バスも、縦横無尽に走る市内バスも、なんら影響なく並行して走り続けるのである。
けれども、先述のようにこれは長期的に続けられるべきではない。所得が上昇し自家用車の保有が増加した段階でも、一向に見直しがされないまま渋滞が本格化したのが、今の北京や上海の姿であり、郑州もまた中央に続いて同じ道を歩むと思われる。
今現在の状況では、選択肢の追加で構わない。むしろ効果が即座に出るのだから極力早い段階から始めて収益をあげ、市や地域の財政力を向上させるべきである。財政の向上は、次の政策を施行する上で重要な備蓄ともなるからだ。今しか出ない効果に適時で利益を確保しておくことも、都市間鉄道を建設する目的に位置づけてよいと思う。そして、利益を確保しつつ、新たな政策の準備をしなければならない。私も近いうちに現地を熟察してやろうと考えているが、都市内における公共交通の利便性の向上を計画として温めておくことが必要である。運賃の安さから、1元や2元高くても得られる便利で快適な移動へ公共交通に対する人民の欲求要望が変化してきたとき、あるいは自家用車での移動が経済的に可能になり依拠する人民が増加してきたとき、それに対応できる施策を行えるように、並行して準備研究を進める必要がある。
いろいろ思考と研究を進めるうちに、フリンジパーキングを慌てて薦めに行く必要は、さほどないことが分かってきた。とりあえず現地調査を行って、足場を固めてからでも遅くはなさそうである。