南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

家族旅行 下呂温泉(2)合掌村

小川屋の朝

朝食を前後して、宿泊者入浴時間いっぱいまで温泉三昧。とくにこの日の露天風呂は昨夜より温めで、やや強風で冷えた朝の空気にちょうどよい。また濁流も収まり、目線を上げれば晴れ空に新緑芽吹く山並みと、まさに「絶景だ!」
朝食はバイキング方式。目覚めの湯では意外と空腹が起きなかったが、ちょうど宿泊客の朝食ラッシュに遭い長蛇の列を待つうちに増進された。飛騨地方の味覚に欠かせないホオバ味噌、何につけても美味かった。清々しい景色の前では普段の倍ぐらい食べてしまう。
朝食の順番を待つ人々の中に一組の若い中国人夫婦がいた。ごく自然に浴衣を身につけ、慣れた手つきで干物を炙っていた。私たちのテーブルと衝立挟んだ向こうから会話がよく聞こえた。よっぽど話しかけたい衝動に駆られたが、家族旅行では自分の旅行スタンスを持ち出さないのがマナーだと思ってやめた。男性の方とは終了間際の浴場でも遭遇した。このときもお互い自然に行き違った。浴場の入浴指南には中国語訳も付されている。(このとき土間に残るスリッパが一対しかなく、彼はどうやって帰るんだろうと心配になったが、背徳感を覚えながらそれを履いて戻った。あとで母には「意外と裸足で来てたんじゃない」と笑われたが、一言声かけたほうが良かったんだろうか。)
ロビーでのモーニングコーヒーも非日常のひととき。売店では会社への土産に「しらさぎ物語」*1の最大サイズ48個入りを買う。祖母は夕食の無花果のデザートが気に入っていて、無花果のドライフルーツを買っていた。
計4回の温泉三昧と美味しい食事で心身ともに癒された。この日のために2週間休みなしで働いた甲斐があったかな。

合掌村

合掌村の入場料と甘酒のサービス券(200円)は、JR東海ツアーズ企画の旅行代金に含まれている。でも800円は高過ぎると思った。

最近オープンしたばかりらしい円空円空の生涯をじっくり学べるビデオを観賞。3-40分ものんびりとビデオを観てるなんて普段の旅ではあり得ない、祖母との旅行ならではの貴重な体験だ。今まで漠然と、木彫りの仏像を各地に作った僧侶、と考えていた円空上人。その生い立ちや幼少期に失った母への想い、庶民に寄り添い木彫りの簡素な仏像を作るようになった経緯などを学んだ。名古屋の荒子観音や職場に近い師勝の寺にも縁があるとは初めて知った。美濃国出身の円空はおもに岐阜県全域に数多くの遺産をのこしている。

飛騨工房のお土産を見て回る。振り子を揺らすと2匹のカエルが鳴くようにカタカタ音をたてるペンスタンドが面白かった。他店では見かけず限定物らしい。
竹原文楽記念館には巨大な雛人形がある。我々に背を向け内裏様に節句の勅旨を述べる者もいる。そういえば、小川屋のロビーにも大きな雛人形が飾ってあった。
桜はまだ早いが、園内の梅は少しずつ咲いている。

合掌茶屋にて山菜うどんとみたらし団子の昼食。麺を覆わんばかりの山菜が載ってヘルシー。みたらしは餅のようによく伸びる軟らかさ。量的にも十分だったが祖母がもっと食べないかと言うので甘えて、甘いものが欲しくて五平餅を頼んだ。飛騨地方のみたらしは醤油を薄く塗っただけの素朴な味で甘みがないからだ。

旧大戸家住宅。あまり陽が当たらない側の屋根は苔むしている。

内部は生活の様子が人形模型で再現してあったり、養蚕などの道具が展示してあったりする。長持やら古めかしい箪笥やら祖母にとっては懐かしいものばかりだ。とくに天井の低い二階へ上がったときなどは母も加わって思い出話が咲いた*2
囲炉裏では常に火が焚かれていて暖かい。

直後に地元ガイドに記念写真も撮ってもらった。甘酒はずっと火にかかって煮詰まったのか妙な味がした。
 大戸家大二階から望む下呂市街と飛騨の山並み。

滑り台などのある「歳時記の森」を遠目に眺めながら、リニューアル前の記憶、カエル神社など5つのパビリオンで構成されていた「ふるさとの杜」を思い起こす。休憩処でバスを待ちつつ積み木など楽しんで1時間過ごすのも、一人旅にはない乙。若者グループが記念メダルを作ろうとして小銭が足らなくなり我々に救いを求めてきたので、20円貸したら30円得した。

帰路

帰りのワイドビューひだ号は大阪行きと名古屋行きの併結列車。高山からの旅行帰りでほぼ満席。疲れて休まれる乗客に配慮してか、沿線の名所案内放送なし、また途中停車駅到着時の車内チャイムも鳴らず寂しかった。チャイムは終点名古屋で別れを促すように2度鳴り、1泊2日の非日常が終焉した。出発前の予想より遥かにのんびりできたと思う。

おわり

*1:このアイデアって栃の実せんべいにクリームを挟んだ菓子だよな、と今回初めて気づいた

*2:私は頭上不注意により、浅い傷ができるほど梁で額を打った