南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

新春志摩たび (2)

8時前のチェックアウトを目安に起床、朝風呂。内湯で身体を軽く温めてから露天に出るも、猛烈に寒い。浸かったまま市街を眺望できるフェンス窓が重宝。湯上りに浴衣姿で1階のフリードリンクコーナーを覗くと、モーニングコーヒーが飲めるようだ。駅までの補給程度にミルクティーを飲みながら身支度して出発。とてもシンプルでリーズナブルなホテルでした。
*1

若草堂の朝定食

事前に大手牛丼チェーン店の朝定が食べたくて探したんだけども付近に見つからず、駅近のモーニングで検索かける。すると、外宮参道沿いの伊勢うどん食堂で早朝開店して朝定食を提供するところが二三軒あるらしい。その一つ、若草堂に目を付けた。昨夕参拝がてらに覗いたところ、客の気配が感じられなかった。半数以上が閉店間際の時間帯だから仕方ないかとも思う。
店内から駅前広場が垣間見えるほどの位置にある老舗食堂の若草堂。果たして朝定食の看板は表に掲げているが、入店しても誰も出てこない。二三度奥に声かけて、やっと現れたお婆ちゃんに400円の朝定食を所望。なんと自動ドアのブザースイッチが入ってなかった(笑。ごはん、味噌汁、お新香、海苔、玉子*2のシンプルな朝食。赤味噌の濃厚な味噌汁が沁みる。バス時刻が気になるも、10分ほどでサラッと食べられる。税込430円、ホテルで980円払って食べるよりずっと安価で美味しい。

伊勢神宮内宮

昨夜の時点では、五十鈴川駅からのバス接続を円滑にするため企画切符の「フリー区間特急券引換券」を利用し、伊勢市五十鈴川だけアーバンライナーに乗るつもりだった。しかし朝からそんなの面倒くさいので、駅前から直通バスに乗ってしまう。08:49発の内宮行き神都バスは内外とも路面電車の格好をしている。屋根のパンタグラフは面白く、ロングシートの車内は何故か和む。バスは鳥居前に着くのでおかげ横丁をパスできるが、ホテルの観光案内で見たステーキ牛丼の二光堂は少し惹かれる。
さすがお伊勢さん、9時だというのに宇治橋の往路はしっかり混んでいた。これは30分ほどで戻るの無理かな、と思うも、客密度は濃いが案外スムーズに流れ適当な時間で参拝を終えた。

二日酔いからまだ一夜明けたばかりだというのに、お神酒も頂いて視界がボンヤリw
 宇治橋を横から眺めていく人は少ない。
内宮前バス停では切符を買うよう案内されるが、三交も神都もICカードで乗れる。ICカードの種類によって、どの地方からの参拝客なのか分かるのも面白い。五十鈴川駅まで230円。近鉄普通電車との接続は悪い。

鳥羽市街散策

鳥羽駅での停車時間が長そうだったので、そのまま改札を出る。駅下では新鮮な生わかめの試食会をやっていた。線路をくぐると「赤福」鳥羽支店があり、土産は久々に赤福にしようかと思う。
 伊良子清白の家
鳥取出身の詩人で、詩集を発表し日本や台湾を転々としたのち鳥羽で開業医となる。本日は休館。
鳥羽市歴史文化ガイドセンター*3で、鳥羽出身の偉人門野幾之進と志摩の戦国武将九鬼嘉隆について学ぶ。門野幾之進は、福沢諭吉の教え子として学んだのち15歳にして慶應義塾で教鞭をとる。日本で最初の私立大学、慶応大学創立に尽力。また実業家として生命保険会社を設立、経営した。当時の日本内外から鳥羽へ寄越した手紙がとても興味深かった。PCゲームでもお馴染みの九鬼嘉隆は、水軍の将として信長や秀吉に仕え活躍した。のちに関ヶ原の戦いで西軍につき息子守隆と戦って敗れ、自害した。鉄甲船日本丸」の頑強さに目を見張る。
館を出る際、事務室から地震速報が流れてきて驚く。能登と茨城で同時発生したらしい。
鳥羽みなとまち文学館江戸川乱歩館)へと赴いたところ、ちょうど戸口に手をかけた瞬間、地元民らしき女に声をかけられた。つまらぬ普通の民家なのに300円も払うのは勿体ないから、止しておけという。「ケチな姉ちゃんが店番しているだけ」と毒づき、追い払うように100mぐらい付いてきた。よっぽど個人的に恨みがあるのかもしれないけど、こちらもアッサリ諦めて大山祇神社へ登る。お参りしていると、また別な住民から笑顔で挨拶され不思議な町だ。その裏山は、鳥羽城跡(城山公園)。石垣などが残り、高台からの見晴らしは良い。
 
 この段々畑みたいな石垣は特徴的。
城山の中腹には、昭和初期に鉄筋コンクリートで建てられたという旧鳥羽小学校登録有形文化財)がある。文化財と知らなかったら、廃校探検されそうな佇まいだ。
中之郷駅を過ぎ、旧街道らしき通りを行くと鳥羽大庄屋かどや
 
鳥羽の町端のいわゆる「鍵の手」型をした場所にある。程よく昼近いので、鳥羽道と思しき街道を戻る。

ふる里館

母お薦めの食事処。鳥羽マリンパークの傍にある。注文を受けてから生簀の魚介を調理するといい、とても新鮮で美味しいと地元では評判だそうだ。観光客には知れていないのか、私が一番乗り。胃腸の大事をとりつつ、冬季限定のカキフライ定食を注文。サービスらしいアラの煮つけをつついていると、ご飯と味噌汁が出る。またも素朴な赤味噌でカニの足が沈んでいる。そしてメインのカキフライは、揚げたて熱々でメチャメチャでかい。養殖のチビな牡蠣ではない。5個目を平らげるころには満腹が迫るほどボリューム抜群なカキフライであった。白飯をおかわりしたくなるほど、どのおかずも旨かった。アラ煮は「きれいに食べてくれた」と褒めていただき、心温まる。贅沢な海の幸、ご馳走様でした。

鳥羽水族館

本旅のメインイベント。入場料は些か高いが企画きっぷの特典で100円割引になることと、セイウチ笑(ショー)は一見に値するとの薦めからである。正月休みということで、家族連れで物凄い盛況である。
入館するとちょうど13時からアシカショーが始まるので、足早に会場へ。開演間際で、もはや立ち見かと思われるほど上段まで埋まっている。水中や舞台際こそ見えづらいが、概ね眺められる位置で陣取る。我ながら珍しく動画を撮った。
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結構な階上から撮っているのに、さすがiPhoneは高画質だ。大一番は自分の目で見たいので、撮らない。締めのハイジャンプは見事だった。プールに帰ったアシカを見に行く。
 中央の模造岩にあいた穴は昨年12月31日、アシカの一頭による暴挙だそうだ。
順路はなく、どこからでも自由に観覧できるのが鳥羽水族館。とはいえ、この大混雑ではどのブースも水槽の前に人がびっしり。エントランスホールが一番広くて落ち着いていられる。そのまま14時の「セイウチパフォーマンス笑」へ早めに向かう。大人気なのか、平面会場のロープ際は既に満席でまたも立ち見。
飼育員2名と雌のセイウチ「ツララちゃん」とのコント調な掛け合いのショーは面白かった。8歳にして560㎏の巨体ながら、たしかに腹筋をする。母の話した「ピストルで撃たれて倒れるギャグ」は披露されず、心底期待してただけにとても残念。大観衆によるセイウチへのストレスを考慮してか、ちょっと呆気ないほど短時間でパフォーマンスは終わった。残りの時間はリンクを飼育員とともに周回して、触れ合うひとときに。
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一瞬、目が合ったような気がする。背中に触れてみると、たしかに濡れ絨毯である。
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水槽へ帰るための花道をゆくセイウチを追った。こうして間近で見つめると、顔立ちや身のこなし等はなるほど「海のイヌ」を思わせるな。このあと小屋のガラス越しにブチューッとキスしてみせる姿は愛らしかった。
こうしたショーとともに同水族館の目玉となっているのが、ダイオウグソクムシ。絶食日数の大記録を打ち立てたことで知られたせいか、へんな生きもの研究所は身動き取れないほどぎっしりであった。
 ジュゴン
必死にエサを食べてるかと思いきや、目の前にドーンと降りてきたりして観衆意識があるのやら。

そもそも水族館で写真を撮ること自体が初めてで、ちょっと憚られる。ひととおり各ブースを巡ったものの、とにかく人ごみが酷くて一気に疲れた。とくに足元を動き回る子供たちに神経を使うのが相当きた。15時半のアシカショーで見学者の多くが会場へ吸収されたときが一番すいていて観やすかったり。母の助言通り3時間もあれば十分、というか2時間半でも体力的にしんどいほどの混みっぷりだった。

おわりに

水族館の売店で目をつけておいた赤福は品切れ。やむなく最寄りの中之郷駅を捨て、お土産のために鳥羽駅へ戻る。ところが赤福売切ればかりか、帰りの電車迫る中コンビニのレジに長蛇の列が。慌てて品定めし並ぶも、刻々と発車時刻が近づく。会計するころには観念し、特急で松阪まで追うことも脳裏をよぎる。商品もお釣りも手づかみで階段を駆け下り、なんとか間に合った。やっぱり伊勢志摩で赤福を手に入れるのは難しいということが身に染みてわかった。生もので安定した持ち運びが要求される赤福は、旅の最中に確保しておくのは難しい。帰り際だとどこの店も品切れになっている。あの鳥羽支店だったら残っていたろうか。ちなみに地元名古屋駅も完売だったが、途中の伊勢中川駅ファミマでは残っている気配があった。
悔しい赤福はさておき、帰途は順調に五十鈴川で急行へと乗り継ぎ快適に名古屋へ。普通電車区間を最短に抑えた復路は上出来。二日酔いの昨日はともあれ、今年も近鉄さまのおかげで満足な新春旅行を楽しむことができました。伊勢えびせんべいだけでなく、御塩など細かな土産も携えての帰宅。

*1:皆あまり気に留めないけど、外景の見えるエレベーターは結構お気に入り

*2:写真では目玉焼きだったが、実際は生卵

*3:門野幾之進記念館