南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

小泉ブッシズム

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 個人の一発言をとりあげてとやかく云うのは、週刊誌的であまり評価されることではない。しかし、政治的責任のある者がその立場をわきまえないで話す言葉には批判が浴びせられる。その中間のような本が『ブッシュ妄言録』というものである。ブッシュ現米国大統領の奇妙な発言を集めたもので、漫画本のように流し読みできるが、時々難解な発言に心を悩ませることがある。ブッシュの妄言には3種類あり、一つは自分が無知なことを曝け出すためにわざと難解な言葉でごまかすこと、二つ目は自分の英語が下手なために文法や文章構成を誤ること、3つ目は自分の感情をもろに出して敵を罵倒することである。日常の発言まで取り上げるのは少々突っ込みすぎだが、お前は本当に大統領か、と思うような発言が満載である。同盟(従属)国の国民として一読する価値はある。ところでこの本の著者は、彼の発言を総括して「ブッシズム」と呼んでいる。即ちブッシュ流の戦法と言った感じである。日本にもこの手のものがある。「コイズム」である。小泉総理自身がまとめた『コイズム』なる書において彼の流儀は読み取ることができる。が、近年コイズムの勢いは終息し、新たな展開を見せている。その兆候が先月末に見られた。イラク南部のサマワ市評議会をめぐる発言で野党側の謝罪要求を受けた際、彼は苦笑しつつ徐に立ち上がりこう言い放った。「撤回するということは謝罪そのものなんじゃないですか。」そのままブッシュ妄言第一種ではないか。報道機関はこの発言を「苦渋の謝罪」と捉えているようだが、これは謝罪せずにかっこよく逃げたつもりなのだ。総理はもはや、国会答弁でもこの手を使うようになったか。そして国会内までもアメリカ化が進んでいると見える。総理がブッシズムに依存しないことを祈る。結:国会で格好付けたって、見てるのは野党陣だけだよ。【2004/02/08/PM】