本日、とある政治学系ゼミのオフィスアワー(説明会・相談会)に出かけたのだが、実は国際関係論系であった。むしろ都合がよいというか、当初考えていた教授の国際関係論ゼミは「開発協力」が主体だそうだ。これはアジアに特化した調査研究である。一方で、今回訪れたゼミは、「世界秩序」の系統で、まさに筆者の目指すところである。19世紀後半以降の世界各国の政治・軍事面におけるバランス・オブ・パワー(勢力均衡)、冷戦構造、アメリカ一極社会へと続く過程等々の研究、そして最終的には、相互批判体制に基づく二極(冷戦)構造の復活こそが、持続可能な世界秩序の行き着く先だ、と以前からこのページで唱えている。ようやく中学・高校で曖昧ながら持ちつづけた理念を構築できるのではないか、という期待感が湧き上がってくるのである。
集まった学生らは、ほとんどが各サークルの中核的存在を、キャンパスのあちこちで見せている連中であった。筆者のように黙々と、大和研究(台湾論を含む)や日本政治学に徹しているタイプではなく、実地行動派というべきか。何を念頭においてこの説明会に向かってきたかを一通り聞いてみれば、大概して「環境社会学派」と「政治軍事面の世界秩序(国連も含む)派」、「NGO・民間活動派」に分かれる。3つ目のは、前のいずれに分けても良いかもしれない。無論筆者は2つ目に加わる。
質問も半ばへ進んだ頃、飄々とアメフト系男子学生が闖入する。彼も一応念頭の構想を述べる。筆者とほぼ同じだ。ところが彼は、さらに続けて、個人的ながら台湾に興味がある、と言う。台湾人の友人がいるといい、興味深い話をひとつ転がした。「自分は沖縄に米軍基地があることを快くは思っていなかったが、その友人は台湾に一つ欲しい、と言っていた」というのだ。現政権の民進党や陳総統がアメリカの力を背後に持ちながら、中国と対話する、という方針をうち出しているのは事実だ。その友人はもしかすると本省人かもしれぬ。また台湾人のアイデンティティが強いのかもしれぬ。親・親戚から、真の台湾史を学んでいるかも知れぬ。筆者は既に、ゼミに関する質問を放棄し、彼と台湾論を議論したいと感じ始めていた。
結:三度の飯より日台関係の研究。【2004/10/22/PM】