南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

教授と台湾論を戦う

Nanjai2004-11-09
 現在筆者は来年受講するゼミを決めかねており、各教授の研究室を巡っているのだが、ようやく「台湾論」を専門にしようという決心がつき始めた。はじめは、教授への台湾論挑戦のつもりだったのだが、「これほど、台湾のことを真剣に考えている学生もいない」と感服されてしまった。
 議論の次第をまとめてみる。T教授の研究室には先客がいたので、初めは黙ってゼミ概要の説明や先客がする質問に耳を傾けていた。先客が退室してから、火蓋は切られた。
『戦前、日本の植民地支配を受けたにもかかわらず、親日派が非常に多いのは不思議』から、植民地の悪政について語りだした。筆者は、納得がいかないという顔で対応。「台湾は、植民地ではなかったと思います」
植民地と国土はどうちがうんだ、と問われる。筆者曰く「国土が体なら、植民地はモノです。しかし、台湾は言わば衣服のようなもの。」咄嗟の発想。
欧米史観の植民地論で抑えられたものの、「台湾は、軍事基地や経済要所のために開発したのではない。その程度のために医療制度や教育まで充実させる必要と、責任感が起ころうか。」回答曰く、植民地も多種多様。搾取だけが植民地政策ではない。
「沖縄や北海道の政策と同等ではないか。琉球や蝦夷地と呼ばれた両地は、明治以降に日本本土として認定された。が、両地民は純粋には大和民族とは異なるのだから内地と同化するのには時間がかかったはずだ。台湾もこのような国土として認知できないか。」回答曰く、沖縄や北海道で施行された制度は、台湾に対してとは異なる。台湾には植民地としての制度が特別にしかれていた。
「しかし日清戦争?で、中国は台湾を放棄し、日本は責任を持って台湾を受け取った。これは奪取ではない。」
「台湾は島国であり、朝鮮や満州とは異なり、大陸人よりも親近感を持って政策を講じたのではないか」というのに対しては、台湾人だって大陸人だ、と。「大陸人も島にもともといた原住民との混血。」回答、それは日本も同じ。
ただし、教授は島国説に突っ込んできた。そのような理論はいつごろでたのか、どのような目的か、発言者は? ピンポイントに弱い筆者は、「その辺りはまだ研究中です。」が、評価は高かった。
結:教授曰く、台湾が植民地ではなかったことを証明するのは相当困難。しかし、当時の日本政治家が台湾を国土と認識していたという証拠は、見つかるかもしれない。【2004/11/09/AM】