南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

こわい話

飲み会で役立つ怖い話を一つ紹介しよう。

これは、南蛇井が親友のA君から聞いた話で、彼は以前大阪に住んでいました。以下は彼の話です。(したがって一人称はA君です)

俺の中学時代の親友に、佳久という奴がいた。そいつは、俺と同じ野球部で、一緒にバッテリーを組んだこともある。高校進学の時には、そいつは甲子園出場経歴の多い私立F校を選んだ。俺はあんまり家庭の事情が良くなかったので無理しないで公立を選んだ。ところが、それぞれ高校に入学した後、6月に同じ高校に行った奴に彼のことを聞いたら、なんと、野球名門だったF校は、指導教員の暴力が発覚して、その年で廃部になっていたんだそうだ。それで佳久のやつは、入る部活も無くて、また忌まわしい野球部を志していたってことで級友からも白い目で見られてるんだそうだ。最近は授業にも出てこないという。俺はかなり心配になった。

それから連絡を取ろうと何度も試みたけれど、通じなかった。そんなある日、あれは確か2年になった年の4月の末だったと思う。佳久から電話があって、お前に会って話がしたい、平日だけどマジな話だから会ってくれないか、と聞いてきた。俺は月曜日だから高校の授業があるし、断ろうと思ったが、彼が真剣になって憂鬱な機運から脱しようとしているのかもしれないと思い、承諾した。彼は朝10時半に尼崎駅近くの喫茶店を指定してきた。

そして、

彼の乗った快速電車は、尼崎駅の手前で脱線・大破し、一両目後部に乗っていた彼は全身を押しつぶされた遺体で発見された...。

この事故は、俺が死んだ後の話なんだ。