南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

通信簿

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 筆者もこの歳になってくると、そろそろ何者かによって敷かれてしまったレールの上を歩くことに嫌気が差して、魔が射して道を外れたくなるのであった。最早大学を卒業することよりも、此処を通して思想を統一し、政党か教団か企業かハタマタNPO法人かを結成する野望に満ち満ちている。それでもゼミレポートだけは真剣に提出するつもりである。
 さて、小中高では夏休みが幕を開けた。近頃はゆとり教育が進み、夏休みの課題もさぞかし減量していることであろう。体重を減量させてバテない様に願う。筆者は現在期末試験を受けているが、小中高では夏休みの前に嫌でも通知表を受け取る。そこには、当人の一学期間の生活・学習態度が、まるで監視カメラに撮影されたかのように厭らしく記載されている。それはあくまでも担任教師と関係者の偏見的主観であることを悟るには、まだ彼らは幼過ぎる。地方によっては、未だ教員の生々しい偏見によって児童・生徒の人権が傷つけられても、それを自然と受け止めてしまう当人や家族がある。第一、地方では家族も同校の卒業者だったりして、さらに正当化を促進してしまうのだ。ところが、近年の情報化社会の発達によって、ガキの感性は以前よりずっと鋭くなっている。一番大切な感性の強い時期に、家庭、学校、地域社会が如何なる環境を提示するかによって、彼らの生き方は十分変えられる。これは他人事ではない。もし貴殿が寂しさで眼をギラギラさせた彼らに出会ったら、二人という環境を提示してやって欲しい。尤も、貴殿自身が寂しさに満ちていないときを望むが。
 一時、この通信簿に愛国心を評価する項目が追加される、という話題が持ち上がったことがある。これを戦前のファシスト的教育として非難する傾向があったが、ただ単に日の丸君が代を敬愛し、天皇陛下の御言葉を暗唱するものでなく、もっと人間的に考えるべきである。つまり、自分たちの住む土地、国土の歴史を知り、率先して環境の改善に取り組もうという試みを評価するのだ。自分だけでない、周りの日本人・子孫が心豊かに生きられる環境を作ろうという発想力やリーダー性を育てることが、結果的に上からの愛国養成に勝る教育になるのではないか。やはり筆者は愛国心養成の項目を加えて欲しい。
結:上から愛国の大枠を作り、下からみんなで積み重ねるのが国家のあり方だ。【2005/07/24/PM】