南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

初回道(はっかいどう)の旅 9:旭川・滝川

晴(旭川・滝川・苫小牧)

昨夜の仲間と見送り見送られ、名残惜しくも美瑛を後に。一期一会の重みを実感。旭川駅で2ヶ月ぶりに独りになる。

2日過ごした山口さんとブライアンさん、一夜だけど思い出深い時間を過ごした仲間に、昨日台湾の二人と別れた同じ電車で別れをつげる。有馬君とは残り3日を過ごし、また太平洋フェリーの上で会えるだろうが、ほかの人とはこれで最後。ブライアンさんは宗谷線から北端を目指し、山口さんも鉄道の旅。旭川の地酒「男山」を奢ってくれたおじさんは、旭山動物園へ行くという。そのほか山口県から地震をすり抜けて北海道にたどり着いた一人は、急遽旭川に買出しに行く。
たった2泊の間に、いろいろな人と出会い、過ごし、語り合った。人との交流という点では、この美瑛が一番よかった。短かったけども、一生忘れることはないだろう。広い広い北海道の中から選ばれた、ここに集えた皆、ありがとう!!

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美馬牛駅とリバティユースホステル
韓国人の青年を、先の帯広行きの電車で見送ってから、我々もついに旭川行きの電車で発つ。思い出の場所を去るということが、いかに辛いか、知ることになった。
旭川まで別れを延ばしてきた4人とも、改札前でおわかれ。私は買出しに行く青年と、旭川駅のレンタサイクルに向かう。

レンタサイクル無料

ウェブなどで確認していたとおり、貸し自転車は無料。自転車を得ると、ここで最後の一人と別れ、独りに。まず電器屋さんに行くらしい。私はサドルの低い自転車にまたがり、駅で見つけた大きな旭川観光パンフレットを片手に、市街へくりだした。かご付の自転車は、バックパッカーには重宝。

屯田兵資料館。お茶や説明のサービス良。但し内容は右傾。

市街地を北に行き、牛朱別川に当たったところで東進。この道をまっすぐ行くと、旭山動物園に突き当たる。けれど、今日目指すのは動物園でなくて、旭川兵邨記念館という、北海道開拓史の資料館へ学びに行くのだ。動物園まで行ってるとお昼の時間がなくなる。今日は旭川の後のイベントもあるのだ。時間をずらせない。
観光地図が正確でよかった。旭川神社に併設された、旭川兵邨記念館。入館料を払うと、エントランスでまず概要を説明するビデオが上映される。観ていると、職員の方が冷たいお茶を出してくれた。北国とはいえ、暑い外をこいできた者にとって、とても有難かった。北海道開拓史と旭川地方の歴史、開拓民の苦労を大まかに説明。ビデオが終わって、お茶のお盆を返却しにいったところ、大きな荷物を事務室で預かってくれるという。まったくその厚意には大変感謝である。
展示室の前半は、ビデオの内容が詳しくなったものである。屯田兵入植について、男性職員が熱心に解説してくれ、歴史が良く分かった。屯田兵や開拓民の暮らしぶりや農業発展の障壁とそれに対する闘いぶりが、農具や生活用具の展示を通して伝わってくる。また旭川という地域の、地名の由来や変遷についても説明があった。
さて、後半が問題で、太平洋戦争を中心に、戦地に赴いた旭川地方の若者を取り上げ、まるで英霊のように語る展示であった。戦渦に巻き込まれた旭川というよりは、積極的に参加していった旭川の姿がそこにあるかのようだ。戦闘機の模型、戦闘服、遺品など、数々の品が納められている。
これは北海道開拓が、本来蝦夷地の内地化、日本皇民化を進めるものであったことを示すものである。その象徴としての旭川神社、に併設された記念館は、ここまで影響されるものである。詳しくはK.K.過去記事に収録された、北海道旅行の凶刃的所感をお読みいただければ幸いである。
特別展示では、太平洋戦争について考える、というテーマで、戦争責任や戦争の意味、正当性について語られている。が、ここも同様に、米国の一方的な宣戦であるとか、日本は正当防衛であると主張し、その上でこのような悲劇を繰り返さぬようにすべし、と感情的な非難に収めている。戦争を起こしてはいけないのでなく、戦争を起こされてはならない、ということだ。これが正しいかどうかは、分からない、としておく。

隣接する旭川神社参拝。

記念館を出ると左手に大きな鳥居がそびえる。広々とした境内の旭川神社だ。表から参拝して、履物を脱いで本殿にあがる。夏の真昼間、ほかに参拝者はいないので、極々静か。履物入れの脇に記帳ノートがある。迷った挙句、書かなかった。

ラーメン村は大盛況で敬遠、井上靖記念館も中途で止め

お昼も近いので、旭川駅に戻りつつ、観光施設を拾えるかどうか試してみる。環状道路で石北本線を渡ると、ラーメン村がある。旭川はラーメンの町であることはいうまでもないが、郊外にラーメン店を集めた施設がある。ここでお昼にしようかと思っていたが、相当混雑していたので敬遠した。この道をまっすぐ行って石狩川を越えると、井上靖記念館というのがあるが、あまり欲張って遠出すると昼食の時間がなくなる。国道39号に出たところで、また市中心部に向かう。No.129のプリンシェイクはこの辺で見つけた。それから、国道を中心部と逆方向に進むと、男山酒造り資料館がある。家を出る前にガイドブックで、酒の試飲ができる、とあったので行ってみたかった。昨夜、皆と飲んでいて、どうも「男山」という文字に見覚え聞き覚えがあると思いつつ、思い出せなかったのだけど、実は旭川観光でここを訪れようと思っていたのだった。今日の地図を見るまで思い出せなかったのが、笑える。

紙遊館

こうして幾つかの観光ポイントを諦めながら、物足りなげに走っていると、意外な拾いものをする。それがこの紙遊館という奴で、ちょっと覗いてみたのだけど、結構面白かった。日本製紙の広い敷地内(その地名もパルプ町)にあるもので、一瞬工場地内に入るのをためらうけども、見学自由・入館無料だ。古紙などを利用した面白い工作作品がたくさん展示してある。平日なのでしんとしているが、意外と落ち着けるところである。地図にも載ってないポイントをえられて満足。

ガイドブックで掲載の店は定休が多く、ラーメン探し難航。旭川ラーメン新人王(昨年)の「まつ田」で正油ラーメン。

旭川の中心街には歩行者天国のモールがある。ここを軸にわき道など入ったりしながら、あまり混んでいなくて、且つ多少品のあるラーメン店を探す。これは結構大変で、山頭火など名店は水曜日が定休で、ほとんど閉まっている。飲み屋兼ラーメン屋というのは、観光者の手前、なんとなく避けたい。
それでも、選り好みしていると食べる時間すらなくなりそうなので、表通りに出て比較的表のきれいな店に入った。壁に「2004年旭川ラーメン新人王」の髪が張ってあることから、そこそこの名店らしい。カウンター席とテーブル席があった気がする。やはり昼時だから混んでいた。メニューを見ても、お勧めがいまいち分からないが、正油ラーメンのあっさりを頼む。ラーメン通ではなく、多量のラーメンを食べ歩いた経験もないので、普通にしょうゆラーメン。麺の硬さもスープの味も特に申し分なし。雰囲気もいい店ですよ。
お腹いっぱい、大満足したところで、旭川仕上げの1箇所。旭橋を撮りに行く。常盤公園から堤防に上がって、橋を望む。綺麗なアーチの鉄橋の向こうに、遠く大雪山天塩山地が見える。これを撮ったのだけど、山並みはインスタントカメラでは厳しかった。

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旭橋
これで、本日のメイン観光は終了。4時間の滞在を経て、自転車を返却し、旭川を後にする。

再び寂しい滝川。1hほど物思いにふける。

やはり会う者はいない。しかし、滝川から岩見沢までの間で乗り継ぎをしないといけない。結局は1時間あまる。滝川は、1時間ではどこにも行けない。施設はほとんど郊外にあり、バスを利用しないと往復できない。
一昨日と同じように、駅周辺を軽く歩いてきて、中央バスのターミナルで発着を眺め、家に電話連絡をし、駅前のショッピングセンターで甲子園中継を観る。しかしまぁ、北海道の施設や車内は、冷房より暖房がかかっているらしく、外のほうが涼しい。ので、30分ほどはロータリーの真ん中に腰掛け、りんごジュースを飲みながら昨夜のひとときを思い出していた。いつの間にか北海道滞在も後半に入り、日数が少なくなった。1日1日を大事にしないといけない。勿体ないなぁ、この1時間。

室蘭本線

丸二日超を経て岩見沢に戻ってきました。ここから新たなイベントが始まります。それは、室蘭本線岩見沢から苫小牧まで直通が1日7本しかないという、大変価値の高い路線であります。この線はぜひぜひ乗りたいという思いが強く、多少乗り継ぎに不具合が生じても何とか調整したいと苦心したわけであります。滝川でその調整をしたおかげで、岩見沢では数分で乗換えができた。
主に地元の学生たちを乗せて、ごっつい気動車は走り出す。左右に広い平原か田畑を想像していたけれど、実際の車窓は雑木林と集落が交互に現れるものであった。やはりローカルといえども、鉄道の沿線というのはそれなりに人が住み開発されているものだと感じた。ただ、線路はほとんどまっすぐで、駅間がとても長い。あまり変化のない車窓を見ているうちに、オヤスミとなってしまう。
と、車内にオレンジ色の光が差し込んできた。日の入りである。最初に上った支笏湖のある山々に、今日の太陽が沈んでいく。列車から眺める夕陽も綺麗なもんだな。暑いけど。進行方向左手は、夕張山地だ。沈む光にうまく照らされていた。
およそ1時間半のローカルムードは、苫小牧で終着。

苫小牧4強入りの号外配布

苫小牧の駅周辺は上陸初日に訪れているけど、駅の改札を出るのは初めて。コンコースで、駒大苫小牧高校の甲子園ベスト4入りを伝える号外が配布されていた。旅の者だが1枚いただく。まぁ、読んだあとは始末に困るんだけど。
ちょうど6時なので、ここで夕飯をとった後、YHに向かう。どうせ駅周辺にはたいした飲食店がないのは、初日に分かっていることなので、ショッピングセンター最上階の飲食店街を利用する。朝がパン、お昼はラーメンだったので、ご飯をバリバリ食べたかった。ミニカツ丼(ころそば付)が480円と激安。カツ丼とそばと、どっちがメインだか分からない大きさが並んでいる。それに吸い物と漬物がついて480円だからすげぇものだ。仕事帰りのおじさんが定食くいに寄っていくような店らしいが、手ごろすぎる手ごろな値段。そして、やっぱカツ丼でしょ。私はどうも、どっかでカツ丼を食わないと収まらないらしい。変じゃな。

各停の観光バスに戸惑い

ショッピングセンターを出ると、外はとっぷり暮れていた。建物脇のバス停小屋(4,5人が入れ、時刻表が数枚張ってある)で、計画表に書いてきた時刻と照らし合わせる。19時15分、バスは来た。が、巨大な観光バスである。もしや、、、空港行きの直行バスでは?と不安になった。時刻は合ってるから、見送るほうが拙い。それでも気にかかるので、乗車時に運転手に聞いてみる。「このバスは新千歳空港までノンストップですか?」
「いや各停留所にとまるよ。どこで降りるの?」
ユースホステル入口です」
「とまるよ」
いや、マジにほっとした。ちなみにこの時間の乗車人数は、5人を越えなかったと記憶している。

YHまでの道真っ暗

バス停からYHまでは、案の定真っ暗な肝試し状態。幾つか街灯はあるけども、念のためペンライトを使用する。もっと明るいのが欲しかった。

昨夜のせいか、テンション急落状態

二日あけて帰ってきた。ただいまー! 食堂には自分と同い年くらいの学生が4名ほど集っていたが、グループっぽかったので別に加わりたいとも思わなかった。昨夜とのギャップで、テンションが急落しているようにも感じた。帰ってきたのでどっと疲れが出たんだろうか? 結局熱いお風呂(美瑛で焼いてきた後なので湯がしみる)に入って即寝る。
つづく