南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

初回道(はっかいどう)の旅 12:フェリー航行

晴(太平洋上)
船上で太陽を拝んだのは今日が初めての気がする。往路でも暑いと感じるような晴れ間まではなかった。
行きでそこそこ慣れてはいたが、まだ若干船酔いになる。B寝台では好きなだけ横になっていられるので、ずっとそれでもいいのだけど、さすがにつまらない。昨日の大雨は嘘のよう。朝飯は一皿150円のおにぎりを食べ、気持ちよく晴れたデッキにでて風と陽光をあびる。そのうち仙台港が近づいてくる。

仙台港でカモメと戯れる。

昨日コンビニでパンを買ってあるので、仙台では降りる必要はない。デッキに出て搬出入を眺める。傍らで中国語らしい声がした。外国人もこの船にはよく乗っている。
着岸部と反対側で、家族連れがカモメにかっぱえびせんを与えていた。これが結構おもしろい。彼らは風に乗って船の進行向きへ飛んでくる。これに合わせてえびせんを投げてやると、空中キャッチする。ときどき水面に落ちて勿体無いのもあるが、ほとんどキャッチしてくれる。けれど家族連れはここで満足していった。私は、皆の落としていったえびせんの残骸を拾い、デッキの手すりから手を伸ばしてカモメを待った。今度は着実に私の手からえびせんをくわえて行く。これがまた面白い。たまに指まで食われそうになる。ついには馴れ馴れしく手すりを歩いてきて、食って飛び立つ奴もいる。仙台出港までこうやって遊んでいた。

甲子園途中まで観て昼寝。

本を持ってきていないので、本当に退屈。午後は結局、寝台に戻って横になっていることが多かった。
ちなみに、同じ船に乗っている有馬君は昨夜間もなく見つかった。ゲーセンコーナーにいたので、さすがに私の入る世界ではなかった。今日は、主にエントランスホールで本を読んでいた。バイクのツーリング仲間らしい人と話している姿を見かけたこともある。
多分この日だったと思うが、ちょっとした事件があった。3-5歳くらいの子供が5人くらいいる黒人系の親子が乗船していた。たぶん部屋は一等か何かあるんだと思うけど、ほとんどいつも窓際のスペースにいた。黒人だろうが日本人だろうが、4,5歳くらいの子というのは親の目を盗んで一人で探検しに行ってしまうものである。母親の元を離れて、混雑したエントランスを好き勝手に歩いていってしまった女の子がいた。もちろんあっという間に迷子誕生。気がついた人がインフォメーションに伝えるも、彼女は泣き出してしまう。言葉は通じない。結局インフォの職員が船内を連れて回る。泣き声で気づいた母親によって合流成功。外国人でも、パニックに陥った子供相手では対応が難しいことを教えられる。

昼に続いて夜空も良好。北の空を眺む。関東平野の町明かりと月光(満月?)に影響され、10時過ぎから厳しくなる。

船上は相変わらず強風。ペンライトの電池はどこへ行ったのかな? 今夜は大体千葉から神奈川沖くらいに当り、関東平野の明かりが右手に感じられる。さらに今夜は満月が近いらしく、相当な月明かりが襲う。洋上での月もまた良いものだけど、星が押しやられてしまうなぁ。今旅最後の夜は、明るく終わった。

つづく