南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

日中戦争と「反日」

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 来年5月には当サービスの閉鎖されることが決まり、総本家への過去記事移転を考えている筆者だが、今年度まで更新はこちらで行うこととする。思えば、このような活動を始めてより、早くも2年近く。事ある度に回想してしまう筆者である。
 さて、先週のテーマは、「日中戦争における中国側の戦略」。主旨としては、明治以来近代的軍備を整えた日本が、満州事変、盧溝橋事件等を発端とする日中戦争を開始してより、その後の日米開戦大東亜戦争)を含めた45年の終戦まで、なぜ中国降伏を成就できなかったか、という疑念に基づいている。レポートはまず、日中戦争の概略として、契機となった事件を列挙し、また国共合作(第二次)についても取り上げている。そして、国民党の対日軍事戦略と共産党のそれを比較する形で、両者の戦略が如何に日本の侵攻に影響を与えたか、を詳述していた。最終的には泥沼化した日本の対アジア戦線の一端を取り上げた点は興味深いものだが、この問題は如何に中立的な資料を探すかが重要となってくるため、知識の浅い筆者には細部をコメントしようがない。当KKでもそうだが、常に外枠を捉えがちな筆者は、様々な事象や情報を入手しても、それを一定の動脈に組み込もうとする。有効でもあるが、ピンポイント攻撃に弱い。
 先週の展開では、予習の段階でさほどコメントする内容が見当たらなかったため、質疑応答の状況を見てピンポイント項目を適時判断する戦略で迎えることにしたが、予想外の陰悪な雰囲気が生じたため、無難な外枠戦法で切り抜けた。《国民党の戦略は、当時の中国の地理的問題や日本の「速戦速攻」を考慮した持久戦法を打ち出し、軍備を整えているが、共産党は対日戦線に乗じた党宣伝を行うなど国共合作にも関わらず積極性が見られない。現在の共産党政府の反日宣伝と結びつきにくいが?》といった内容である。我ながら全然強みがない。まず、反日戦線が小規模なのは、当時の党が未熟であり、元々対日戦で勝てる訳ないのだから党自体の存亡に関わるためである。とにかく反日であることが中国における正統性なのであって、それは規模の問題ではない。従って、現在は反日だが、当時は反日ではない、という主張は誤りである。愚問のお陰で、幾つか補足的な史実が得られたことは今回の評価できる点かもしれない。
結:そりゃ中共が玉砕はせんわな。【2005/10/26/PM】