南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

チキンライス


一昨年、去年と2回のクリスマス。寒い寒い、およそクリスマスとは縁のないような工場でアルバイトしながら、夜を迎えていた。作業服を着て、ラバー軍手を着けて、外と大差ないだだっ広い倉庫の中で電化製品を仕分けしていた。これが大学時代のクリスマスのイメージとして定着した。一日稼げば7500円。頑張れば年末の旅行の足しになる。先の希望のために、クリスマスを犠牲にすることが当たり前になった。
いろいろ反論もあろう。家族と過ごす。カポーで過ごす。同学と過ごす。それが当たり前の風潮。でも実際には職場で過ごさざるを得ない人々が、この世には多くいるってことだ。こんなことシミジミ考えながら仕事するのも、またいいかなと思う。仕事が終わって、真っ暗になった外へ解放されて家路につくとき、あぁ今日はクリスマスだったな、と改めて思ったりする。僻みでも何でもない、素直にそんな風に思える人生を送りたいな。だから、フリーターでいいや。
そんな想いを助長するように、倉庫内で流れていたのがこの曲。働く人の意気づけで年中流行りの曲を流してるんだけど、その中でこのチキンライスがひどく耳に残ったのを、冬のこの時期になるとふっと思い出す。今年は気軽にバイトできる状況じゃないので家にいるけれども、クリスマスの思い出はチキンライスだな、やっぱり。