南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

おばぁちゃんの怖い話

今から30年近く前の話だそうである。ある時期、ガスの給湯器とコンロを同時に使おうとすると一方が機能しない現象が多発するようになった。最初はちょっと不審に思うだけだったが、しばらくして頻発するようになったので、不安になって隣家を訪ね、おなじようになっていないか聞いたという。すると、隣家ではなっていないという。また向かい近所でもそんな問題は起きていないらしかった。それでガス会社に問い合わせ、調べてもらった。そしたら、調べに来た同日の夕方から工事を始め(人通りの少ない時間を選んだのだという)、表の通りにある本管から祖母の家に引き込んでいるガス管を徹夜で修繕して行ったそうである。当時は、ガスシステムが古いから、一軒一軒本管から引き込んでいたらしい。それで、工事が終わった頃、祖母が作業員らにお茶漬けを振舞ったのだそうだが、そのときガス管の何が異常だったのか尋ねたという。ところがガス会社は、「ちょっとです」とか何とかいって、明言しなかったのであった。言葉を濁して片付けていったのだそうである。いったい調査後すぐに工事しに来るくらいな異常のはずなのに、「ちょっと」とは何なのだろうか。以後、ガス機器使用の際に異常は見られなくなったが、何が危険だったのか説明は一切なく不安と恐怖を残した話である。
先日北海道の北見市で、ガス管が破損し付近住民が死亡した事件を聞いて、祖母はこのことを思い出したそうである。即修繕されたからまだ大事には至らなかったが、真相はわからないままなので怖さが残る。