南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

佃煮発祥の地、佃島

佃煮流忍者w

1957年NHK制作の映像。もはや戦後ではなくなって、高度成長へと突き進む佃島、月島地区。工業地帯と都心に挟まれたこの地で、江戸期からの伝統漁業を守り続ける人々の姿があった。この当時でも、もはや東京湾には限られた漁場しかなく、海苔以外の素材は千葉方面からの仕入れに頼る。それでも幕府公認時代の誇りを受け継いでいく職人がいた。この映像の後に、その後の変遷が解説されるのだが、それを聞いて驚いた。まだ、元祖佃煮は代を変えて、佃島の地で健在であるというのである。もう50年前の時点で工業化の波に呑まれそうになっていたのに、しかも今なんぞは新都心建設が進む東京湾であるのに、それでもまだ伝統を紡いでいるとは。佃の渡しは佃大橋になり、勝鬨橋は跳ね橋をやめ、月島に2本もの地下鉄が通るようになった時代であっても、伝統というのは力強いものだなぁと感服した。
なんとかその店を調べだして、時間が有ったら東京見物の際に寄ってみようと思った。