南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

新乡(Xinxiang)

7時、鸡蛋灌饼がいなくて残念で朝飯抜き。12路(鉄道駅)1路とつなぐ西站。予定どおり8:10、新乡行きは乗車率40%で発車したが、中心で37.5元、西站でも31元する理由が良く分かった。まさか3時間半もかかるとはね。これでは辉县とか次の行動は無理だ。原因はやはり第一に国道がないこと。省道レベルでは客拾いが頻発する。無駄な時間が多いよね。
今回は初めて黄河をわたった。冬の黄河は、河口の木曽川くらいで、さして広い大河とは思えない。それでも黄河だ(笑)。封丘(Fengqiu)と延津(Yanjin・のべつ)は新乡地級市内の県政府鎮だが、まぁ开封くらいの整備度で綺麗とはいえない。禹州のように羨むほど差はないと思った。途中乗車する客人は皆、新乡までの価格を聞いて高いと騒ぐ。確かに私でも少し高いとは感じた。数百メートル乗って、交渉しきれずに降りる者もある。これは少しトンデモな状況だ。たまに百泉とか焦作とか無理な要求をする者もあった。とりあえず新乡という行き先だけは了承して欲しい。
まぁそういうわけで慢々遅々と走って11時半、しかも东站に到着。东站では辉县行きはないから、まず地図を買って鉄道駅へ移動するんだが、市内公交でつまづいた。運賃に1元と1.5元とがある。これは空調、ノー空調ではない。郊外に出るバスは市中でも1.5元一律、市中内のみの路線は1元一律なのだ。これはなかなか奇抜で、たとえば开封では市中・近郊とも一律1元(一番便利なんだけど)、梁山は郊外の鉄道駅へ行くと2元とった。商丘ではバスガールをつけて、客に行き先を聞き銭を取った(开封でも8路と14路だけはこのシステムをもつ)。市区を出るのだから2元、というのは理にかなうけど少し強引。だから中間をとって1.5とは適量で、市中移動なら別の路線で0.5を避ければよいわけで、値段によって客の流れを分けることができる。(开封の公交に当てはめると、鉄道駅から相国寺へ行くのに、「5路でも9路でも良いや」よりは、「5路1元、9路1.5元だから5路選択」のほうが、开封县へ行きたい客にとって少し快適な9路になるかもしれない。)欠点としては後述するが、0.5元を準備する面倒で、特に外来客には不便(市民ならカードを買えばよいから)。そうそうカードシステムは新乡公交も導入済み。車両は意外と开封並みのウンコバスが多かったな。电车はなし。
1.0を探して7路で鉄道駅。駅前より手前が一般車、外側がバスの駐留および乗り場となっている。広場的な空間が少なくて、荷物を持った人々には動きづらい設計だ。开封駅のように柵で囲った何もない空間(一応駐車場らしい)があると良い面もある。それと南側に大きな建物があって、広場全体が東の入り口のみで囲まれている為薄暗く、日陰の部分が多く感じる。駅は明るいほうが良い。(何も見るものなかったし、新乡は百泉以外に期待してなかったから、現代都市的な評価をしますか。)
南側の屋台街をくぐって目で食って抜けると、总站があった。开封37.5、郑州22と出ている。辉县は流水のようだが、価格は分からない。オレンジの郑开タイプバスが待機している。(後に、辉县・郑州は流水で、乗車後に運賃を払うことが判明。)总站の向かいに孟姜女古楼という景点があるようだが、普通の公園にしか思えず、入る意欲なし。再び屋台街に戻って、かき揚げ風なものを2個食べる。旅は小摊儿、世は情け。
まだ2時だから博物館でも見ていこうと1.5元の2路に乗ったのが誤りで、乗った途端眠くなった上、市中区はほぼ通過状態。ふと眼が覚めた所で降りたら、何と凤泉(Fengquan)*1区だった! これは言ってみれば新乡のベッドタウン的な町で、北部には潞王陵という景勝*2もあるのだが、市中区から10kmも来てしまったのだ。運賃は半端に1.5。潞王陵までまだ4kmとあり、仕方ないから歩いて2路をたどり戻る。百泉じゃなくて凤泉かよ。先述のとおりベッドタウンの役割をもつ凤泉には3本ほど市中から公交が延びている。日本の郊外ニュータウン並に団地(花园)や新型住宅が建ち、ふっとここは中国か日本か分からなくなったりする。歩きながら見とれる。それが途切れると工業地帯で、左に工場、右に鉄路を見ながら南下。共产主义渠をわたってやっとこさ町に戻った。所要2時間弱。停留所は7,8個だが、当然のごとく工場地帯は区間が長くなる。幾つか集落もあるが、一応市内。鉄道駅1つ分だぞ、コラ。
37路で、デニスもある胜利路繁華街に降り、20路に継いで鉄道駅。さすが現代都市だね、繁華街は凄いな。激しい。もう一車線あってもいいよな。どうせ新しい町なんだから、ちょっと壊して造りなおせばみたいな、エー。しかし、ちっとも古い名残がないということは、何故京汉铁路開通時に新乡駅が設置されたのか。何らかの理由なくして当時駅を置く金は回らない。鉄路の用途は本来貨物輸送で、駅は資源・産品基地であるのが普通。ということは古くから工業都市だったか、付近にそうした土地があって接続駅だったことになる。新乡そのものは、鉄道があって産業が発達したのであって、産業があって鉄道が停まったのではないと思われ、その引力は焦作にあるような予感。安阳‐新乡‐郑州‐许昌‐漯河‐驻马店‐信阳。驻马店の引力も気になるところだけれども。宿場町として古くから存在した感はある。新乡は? 濮阳、平顶山に鉱産資源があることは既に調べてある。河南が鉱産資源に強いが為に、これだけの停車場を獲得し、近代発展を支えてきたのかもしれない。南北幹線が京广线と京九线の2本立てになっても、新菏线が京九と新乡をつないでいるのは、それだけの需要があるからだ。未解。
さて、ゆでもろこしを一本食って、总站で切符を売ってくれなかったので結局乗ってから払った。郑州は、予想通り北站か南阳路站しかないらしい。ストレートに开封から結んでも3時間半で东站だったら、河大南門から直行郑州で北站に着き、新乡や辉县に継いだほうが速いと思った。発したのは17時半近かったが、19時には北站に着く。速え。かなり余裕で32路に乗り、鉄道駅南ターミナル。二马路より相国寺行き、书店街でまたとうころこしを一本かじって歩いて帰宅。
百泉には改めて行きたいので、安阳・濮阳線を安阳・百泉線に組みなおして、春節後半戦に濮阳を置く。

(map:新乡市(火车站))

泉区(北東方向)

*1:漢字は风の誤りではない。発音は同じだが、风は風、凤は鳳で字が異なる

*2:世界文化遺産登録候補だそうである