南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

开封黄河浮桥

永らく黄河河岸までをサイクリングコースとして愛用してきた私だが、どうも今ひとつ、これが観光地として来るほどの景勝とは思えないでいた。それがある日、韓国人同学が此処へ赴き、渡し舟で遊覧してきたと話した。何度も通ったあの河岸に、どうも食い違う点が多すぎる。自転車で40分ほどの距離のはずが、その1.5倍もかけたという彼やラオシーに、改めて道順を聞いてみる。すると、どうやら、料金所(黄河浮桥を渡る車両のみに通行料を課すもので、歩行者や電動車には何の影響も齎さないとのこと)を通り抜けて更に行かねばならないと分かった。ゲートで制止されるのでは、との不安があり、いつもそこで引き返していたのだった。話によれば、ゲート手前右手に抜け道もあるそうだが、通いの経験からして、まずあり得ない。ともかく、これまでとんだ勘違いをしていたということだ。負けを感じて、即日午後出かける。木曜であり、开封大学の日本語コーナーもあるというのに、それに間に合わせるスピード参観である。
いつもの河岸までは端折る。铁塔公园から堤防まで、6路と26路のバスが来ているが、案外乗車率は高い。ここに鉄道を作ったら、と駅設置を仮想してみたので、もうどんな村や集落があるかまで、およそ分かっている。
さて、例の料金所は難なく通過できる。まぁこのボロボロの自転車が通るのだから、さすがに声をかけたかったかも知れないが。この先はきちんと舗装されていないので、確かに時間を要す。しばらくして、朽ち果てたような漁船と饭庄、コンテナ別荘?が並ぶ船着場に出る。なるほど、これならたしかに少しは遊覧区と見ることができるな。程なく、右手袂に乗馬コーナーがあって、浮桥が現れる。橋脚がすべて船形をしており、ちゃんと浮いているのである*1。一応両サイドに歩道が設けられており、歩行者や自転車でも割と安全に渡れる。積載量完全超過と思われるトラックが通行し、終始揺れているこの浮桥をゴトゴト渡る。所々隙間から覗ける川面は、まさに黄河である。この死にそうな自転車で黄河を浮桥を渡ったぞ、お前も良い冥土への土産になるだろう。しかしこんな短い浮桥などで渡れてしまうとは、黄河も情けないほど狭くなったものだな。渡りきったこの橋の先は新乡市封丘县にあたるはずだが、砂山と大きくうねった道によって見通すことはできない。
対岸(南岸)を眺めると、小さな船着場が見える。本来黄河の幅はこの距離*2であって、この浮桥の部分だけ狭めてあるのだ。すぐに橋を折り返し、今度はこの船着場を目指してみる。これは少し遠回りで、堤防まで戻らねばならない。堤上を西へ走って、黄河生态园みたいなゲートを抜けて更に進む。結構見落としがちだが、右手に未舗装の脇道が2本連続する。一本目を進入すると、铁牛(镇河铁犀)がある。ネットで铁牛を検索すると、屋根なしの铁牛の画像が出てきて、河南大学北東铁牛村にあるものと異なり、不思議に思っていたが、こちらを撮ったものだと知る。これを突き当たったところが河へ開け、見晴らしが良い。その高さのまま左についた小道をたどると、蒙古村。さらにトウモロコシ畑を右手に坂道を下れば、船着場である。まだ川面までは少し高さがあり、崩れかかった崖になっている。こんな寂れたところに誰も来ないと思ったが、さすがに様になった場所だけに数人は遊客が居る。蒙古村の裏手に休み処と、大きな石碑がある。ザッツオール。これで見落としはないと思う。
今回は河岸プラスアルファの分がやや大きかったので、北郊に着く前に疲労が来た。それでも4時には帰り着いて、その後の予定に移ることができたョ。

(map:开封黄河浮桥)

*1:両岸の砂地に着いた橋脚では、映画「タイタニック」の真似事を愉しむことができる。

*2:すなわち、普段引き返していた河岸地点から浮桥北端までの距離