26日の長野は大変だったらしいね。適当に情報を拾ってみたけれども、確かに先輩がおっしゃったのと似た感じがつかめた。つかめただけでいいよ。正しいと思うことを押し通すのは誰でも大変なんだ。発炎筒や卵が当たったって変わらない信念ってすげえもんだよ。
なんかね、今の中国にとっては五輪は早すぎたって声がある。一触即発の西南地方を触られたら、もう手一杯で乗り切るのが精一杯だって。そうだろうかね。五輪って本来そういうもんかね。いかなる国家にも参加権があると同時に、いかなる国家にも開催権があっていいのじゃないかね。経済力や統治能力に多少の問題があっても、それをこの機会こそ助け合って成功があるのじゃないかね。やっぱクソ競争世界になってから個人と同様に国家個々が荒みあって非難しあっているだけなのな。日本国内だけかと思ったが、結局外に出てきても同じものみるんか。んなら大人しく帰ろうっと。
次に、赤い旗の凄まじさについて。まずこの河南省というとこは中国国内でも最下層で、中国国民不満発散対象1位日本・2位河南省という順なのだそうである。なんとまぁ私1位にも2位にもなっちゃったわ。なぜなら省単位で最も人口が多く、農村人口が多く、出稼ぎ人口が多く、犯罪率が高く、そして革命騒乱期に現在の知識分子や成金どもが働かされた農場が多い省なのだ。つまり現在金を儲けて豊かになっている人民が最も根に持っているエリアということになる。当然格差を身にもって感じている人々がとても多い。とくに学生。大学入試でも北京人と他省人さらに河南人で格差があって、相当狭き門なのだそうである。河南省内でも大学、とくに本科のある大学は数少ない。やむを得ず大専を選択する者も少なくない。卒業しても沿岸部より決定的に就職率が低い。一部などは卒業後軍人になる契約で、大学生として過ごす権利を得ているらしい。こうした若者が学問以外で、沿岸部や他省の者に打ち勝つ最後の手段、それが愛国主義を徹底して信じ追求すること。当然党員になり、外の圧力を激しく批判することによって、自分は国家に献身することを示す。これしか無いもの。偏差値とか内心点みたいな甘っちょろい競争執念じゃない。もっと熱烈に、他人よりも友達よりも少しでも熱烈に、愛国態度を示すことが河南を飛び出して、中国で世界で夢を実現するための方法なのだ。国立の河南大学はまだまだ大人しい。大専の開封大学はやはり貧しいだけに度がきつい。さらに共産党にとっても愛国教育が熱くなる最後の砦みたいな省だから、特に激烈に見える。
少しでもチャンスを掴み取った者は外へ出て、ときには日本へも達する。けれど今自分が留学して分かるが、外国に住むということは寂しい。さらに日本では生活費が厳しい。アルバイト生活と周りが外国語という二重苦は相当なものだと理解できる。赤い旗を必死に振って外に出ることができた彼らの、寂しさから救われる手段はやはり赤い旗を振ることじゃないのかな。あるいは逆に裏切られたと思って政府を批判する側に回ったり、無政府主義に陥ったりする者もいるだろうけど、私は前述を支持するよ。外がすべて幸福とは言えないもの。
そして何度もうるさいが、問題は赤い旗のはためき方であって、盲目的に愛国であっては仕方が無い。わずかでも学んだ多様な知識を愛国に生かしていかないと振る価値もなくなってしまう。それは日本の近頃の風潮に対しても言っておきたいところ。