南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

格助詞「に」と「で」の場所にかかわる用法

中国朋友がよく言う「東京のホテルで泊まります」という表現が、どうして聞いて違和感を覚えるのか長らく分からなかった。おかしいのに文法的に説明できない。先日文法解説書にて解答を見つけ納得したので、ここにまとめておく。
「に」
1)存在・所有の場所・位置
a.居間に大型スクリーンがある。
b.私には妹が3人いる。
2)移動の到着点・帰着点
a.ここに座ってもいいですか?
「で」
1)動作・作用の場所
a.きのうあの店でラーメンを食べた。

《誤用例》
1)存在・状態を表すときに、動作を表す「で」を使ってしまう
a.私の大学留学生がたくさんいます。
b.今東京のアパート住んでいます。
2)帰着点を表すときに、「で」を使ってしまう
a.ここ座ってもいいですか。
3)動作を表すときに、「に」を使ってしまう
a.ここタバコを吸ってもいいですか。
朋友の表現は誤用例の2)に当たると思う。「泊まる」が動詞だから自動的に「で」を用いてしまうんだろう。静的状態になる動き→動作(「で」)でも、泊まっているという静的状態(「に」の用法1)でもなく、到着点として捉えるのはなかなか難しい。