南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

「人殺し」の心理学

戦場においてすら、人の心は、人を撃つことに抗うものなのだ。
だから戦争は指導者の考えるより長引き、そのためにより殺傷能力の高い武器の開発が進む。もし人が躊躇いなく100%確実に人を撃てるなら、戦争はもっと短期間で済むかもしれない。ところが、訓練法を変え殺傷能力が抜群に向上したはずのベトナム戦争以降のほうが戦は長引いている。心理的抵抗や葛藤も、より高いレベルで殺人訓練に抗えるよう進化しているのだろうか。
ともかく日本はそんな高度な時代に戦争をしなくて良かった。だから半世紀以上経た今日も、嘗て敵同士でありながら交流できるのだ。非人道を研ぎ澄まして対戦したベトナムイラクと、このような関係が成り立つとは考えられない。