南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

厦门BRT爆破テロ

今微博を覗いたら、今月7日に発生した中国アモイ市バス*1放火テロの話題が盛り上がっていた。大学受験の統一試験に失敗して人生に嫌気が差した学生による犯行で、当人も焼身自殺。死者47人・負傷38人。卒業後の就職難を背景に大学受験者数が減少しているとはいえ、まだまだ学歴社会。試験で自己を否定されたときに、思考を転換する柔軟性を持っていない。こういう自己中心的で攻撃的な解消法に出てしまう。日本も変わらないが、だいぶ冷め(覚め)てきたというか生き方を上手に方向転換する「自由」がこの国にはある(誇。
幸福は金で買うものでも地位や名誉で得るものでもない。自分の思考方法によって生み出すものだ。
今日は、巻き込まれて負傷した7人の受験生に対し成績を調整して合格にするという措置について賛否が論じられていた。予期せぬ遭遇とはいえ、大学受験という競争率の超厳しい世界だからこそ微細な優遇措置も公正さを「欠く」では済まされない。多くの落第生に対して深い懐疑の傷跡を残し、新たな不公平社会への反攻を画策させるだろう。ここは心を鬼にして、テロ被害と受験の合否は無関係にしてほしかった。それもまた被害者の人生の視野拡大を促すかもしれない。こんな事件が起こっても、やっぱ中国の当局者は国民の思考回路は単純にしておきたいという意思が強いらしい。6.4から日も浅いし。

市バステロといえば北京五輪開幕前の桂林の事件を思い出すんだけども、近年は成都や荆州でも起きているらしい。日本より乗車率の高い中国の公共交通機関での凶行は夥しい死傷者を出す。通り魔的大量殺人に公共交通や火を用いる辺りは中国らしいと思う。日本では歩行者天国での車両暴走など凶器や手段が多様化している。少なからず格差はあっても社会全体が豊かになり物質的に持てるものを持ちはじめたとき、相変わらず精神的に成熟しない人間がどんな凶行を可能とするか、治安関係者は考えておいたほうがいいだろう。それを未然に防ぎたければ、社会病理を排斥せず、人生の多様性をある程度許容する教育政策を講じたほうが良い。

久々に時事テーマで徒然に書かせてもらった。1000字程度に収まり、ほんねとーく第100号に相応しい。

*1:BRT=Bus Rapid Transit。バス高速輸送システム。09年10月28日記事「郑州BRT」を参照のこと