朝一で宿をチェックアウト。早朝に出かけ夜遅く帰ってくるネグラで、明るい時間に過ごすことはほとんどなかった。Wi-Fiもないがネットは申し分なく使えたし、快適に休めた。水しか出ないシャワーも2回ほど使用。裏の階下に長屋らしき住宅があり、庶民生活が垣間見えた。谢谢、马垅。
厦门火车站へ
练ちゃんがあんまりお勧めでなかったので、鼓浪屿見物はお流れとなった。まず、今夕乗る列車の切符を発券すべく厦门站へ移動する。アモイの中心街は渋滞が激しい。交通量自体のせいもあるが、現在渋滞解消のため建設中の地下鉄工事がまた障害の一因となっている。そういえば、アモイには新型都市交通としてBRT(Bus Rapid Transit)がある。郑州のBRTが名古屋の基幹2号ならば、アモイのはまさにガイドウェイバスである。高さ10mの高架橋を専用レーンとして運行している。中国に都市高速はほぼ存在しないので、これまで市中で目にしていた高架橋はBRTだったのか。この旅行計画の折にはBRT試乗も視野に入れていたのに、いざ訪れてみれば厦门駅前で実物を目撃するまで存在をすっかり忘れていた。
2013年には火災事故も起きている。
さて、発券のため售票处へ。练ちゃんのスマホの予約画面と私のパスポートを提示して、すんなり切符が発行される。事前にネット予約し窓口で切符を受け取るのは初めて。新しい火车利用法の普及が進んでいる。〔列車情報:K230次、厦门16:08発-广州东05:05着、硬卧190元〕 代金は初日に記した通り练ちゃんの驕りになりそうだったのを、私が懸命に拒んで支払った。ところで、厦门の駅ビルは現在建て替え工事中で、切符の記載どおり厦门站から乗れるのか不安のため、これも窓口で確認する。一つ北の厦门高崎站ではなく、厦门站から発するとのことである。すでに南口は運用しているのらしい。
北口にある世贸商城でこの日の大半を過ごす。まずは朝食を兼ねてマックでまったり。明日までの余力を考えて、スマホを携帯充電器で充電させてもらう。
福建美食
フードコートで、福建グルメのラストスペシャル。
牡蠣の炒め物。潮の香る砂が混じっている。
艾糍は見た目からも分かる通り、よもぎ餅(団子)。ヨモギの香はそれほど感じられないので、「これ、ヨモギだよね?」と確認したけど中国語が分からずじまい*1。练ちゃんの郷里でもよく作って食べるという。中華飯につづき、草餅の源流もここにあり。
歓談の最中、练ちゃんの勤務先から電話が入り、若い部下に的確な指示を出している。実は今日出勤日だったのを、社長である叔父さんがせっかく日本から友人が来ているのだから、と休ませてくれたのだという。おもてなしの心ですね。休日に仕事の急用が発生し、デートを切り上げさせられた2011年上海の事例とは大違いで、さほど差し障りなかった。仕事とオフの切り替えができていて嬉しい。
お土産買い
超市で、今晩の夜食とお土産を見て回る。絶対に買わないといけないのは、母のためにできるだけ大袋の香瓜子。去年秋、関西へ来日した朋友に持参を頼んだものの、伝え方を誤りカボチャの種となってしまった苦い経験があり、今度こそは失敗できない。幸い、练ちゃんお薦めのブランドを中心に、味も奶油(バター)、薄荷(ハッカ)とベーシックの3種類を買ってもらえる。
青果コーナーでは南国フルーツもグラム販売している。税関チェックも気にかかるところだが、せっかく多彩なフルーツの国へ来たのだから(日本では)珍種の一つでも持って帰るのも良い。ということで選んでもらったのが、火龙果(ドラゴンフルーツ)。燃えさかる炎のような赤みと表皮をもつ、いかにも南国らしい外見。店では輸入品を販売していたが、巷では国産をふつうに買えるという。
jaike.hatenablog.jp
ほかにもお茶やコーヒー、菓子類などを眺めて回ったが、夕飯はここで買わなかった。先のマックでチキンナゲットやらをテイクアウトして持たされた記憶がある。
再见、厦门
厦门站南站房でついにお別れ。たった2日前に来たばかりとは思えないくらい充実した時間を過ごせた。また、言葉に不自由することなく観光と遊行に専念できたのも练ちゃんのおかげだ。お互い割と平静で別れたけど、あとから微信で「私、泣きそうになっちゃった」とメッセージが来た。「以前から『来る、来る』と言っていたけど、まさか本当に来てくれるとは思わなかった。感激した」という。他人を感動させられるかは分からないけど、(相手から薦められるなどして印象に残り)自分が是非訪れたいと思った所は多少時間をかけてでも実現するつもりでいる。
苏州・天津・深圳北などと同じ、個別の候车室がない大ホールの待合場。新築か改修される駅舎はすべてこうなのかな。空気が清潔な反面、画一化が心配。南西の一角に、まるで日本のキヨスクを彷彿とさせるような陳列のお土産ショップがある。が、昨日の記憶からイメージしていたものはそこになかった。
さよなら、厦门。宿周辺も含めてほとんど地理すら分らぬまま、あっという間の3日間でした。
さよなら、福建。長年の憧れが現実になり、そしてまた、離れる。
硬卧に揺られて
発してまもなく通過する厦门高崎站も代役となり得るしっかり整備された駅だった。夕陽に染まった漳州站が印象的。ここからは一昨日の往路を外れ、山あいを進んでいく。
下段利用は初めてだが、噂に聞いたような「就寝時間外に勝手に座られる」ことはなくマナーが向上したのだろうか。軽い夕食後は相対するベッドのユーザーと向き合わぬよう寝転び、流れる車窓を眺めたり株価見たりして過ごす。相手はタブレット見ながら結構色々食ってた。
つぎに乗れる機会があるかわからないので、硬卧風景を収めておく。
消灯に従って床に就く。眼鏡を簡易テーブル下に置いたせいもあり、頭は窓側。
つづく