五体不満足ならぬ

五肢では不満足。

灼熱のアスファルトを懸命に踏みしめるヤツは、実は右後ろ足がない。私がこうして見守っているうちは安全だが、一旦無防備になればジャンプする生命線のない彼はたちまちカラスなどの餌食の危険に晒される。既存憲法一つで平和を守った気になっている日本でも、大多数の生命体にとってはサバイバルな世界だ。もちろん現行憲法下で保護されている人間とて、経済格差や劣悪な労働環境や様々な差別に脅かされているわけで、バッタも人間も境遇は大差ない。だから、せめて人間だけでもそうした矛盾を是正することが政治であり、平和の追究なんじゃないかな。