その相手に対し、一番激しい復讐心を抱くはずだ。
その応酬がやまぬかぎり悲惨なテロはなくならない、と言い続けられる奴は驕りの塊で、一度でも当事者になってみれば家族や知人への非情な攻撃に対し寛容なクッションで受け止めて、自分がテロの応酬の盾になるんだ、とは軽々しく言えないはずである。
けれども、麻薬や覚せい剤常習者が逮捕されて安堵するように、テロの実行犯たちも自分たちがISに洗脳されて活動していることに後ろめたさを覚えていて、自爆で完遂するよりは寧ろ軍などに射殺あるいは拘束されて、何とか他人に終止符を打ってもらいたい気持ちがあるのではないか。ただ異教徒を殺すだけならどこででもできる。あえて警察や正規軍に応戦させるところに、逆に実行犯たちの精神的脆弱性が見えるようで妙だ。