今上天皇の生前退位が本格的に議論され始めてから決定され現在に至るまで、平成を代表・象徴する有名人の引退や解散あるいは逝去が相次いだような気がする。自然と次世代を意識するのかな。元号を跨いで活躍するのは憚られるのかな。そして、皇位継承の形こそ違うが、昭和と平成は節目でも同じような現象は起きたのだろうか。それは今回と違って時代の終焉を各々が察知しないといけない。天皇崩御は基本想定できないし、してはならないからだ。つまり、逆に言えば現代人(平成人)は引き際に鈍感だから、日本の絶対的象徴である皇室の節目を以て各人に世代交代を意識づける意図があるなと。たとえば、プロ野球やサッカー選手でも昔から考えれば高齢で現役続行しているなど、体力維持を盾に引退を遅らせる傾向にある。世の中は絶えず変遷するものであり、順応だけで生き残ってよいものでもない。改元には自然の摂理に従った意味があるといえる。
それにしても、平成を過去のものにするってことは即ち、昭和を葬り去るってことじゃないかと思う。だってこの30年間、一度でも大正時代が注目され一大社会現象の主役に躍り出たことがあっただろうか。昭和はこれから平成の障壁の向こうへ置き去りにされるんだ。