正式名は、国民革命军阵亡将士纪念塔。中山路南段、火车站目前の道路の真ん中に佇んでいる。高さ約20メートル、建立年は不詳ということであるが、一説には冯玉祥が親友成慎のために建てたともされている。まぁよく分からないが、国民革命軍というのは中国国民党の軍隊で、1920年代の中華民国建国ごろに起きた戦役で貢献した将兵を紀念するものと思われる。
観光スポットというよりは寧ろ、街角風景の一部といったほうが相応しい。じっさい、中央分離帯のない中山路でここだけは間違いなく双方向の往来が分離する。バスに乗っていると、ハンドル捌きをミスったときなどはタイヤが塔の土台を擦ったり乗り上げたりして、車体が不意に揺れることも。とても生活空間に馴染んでいたので、いつかちゃんと写真に収め、取り上げたいと思っていた。自動車の交通量が少なかった時代は広々とした路上によく目立っただろうが、今は交通の妨げとは言わないにしても行き交う人や車もほとんど存在を意識することはないだろう。それでもどこか安静な場所へ移設することなく幹線道路の只中へ佇ませておくのは、共産党でなく国民党関係だからなのか、国史に貢献した将士をいつまでも目抜き通りで称えつづけるためなのか。
(map:开封纪念塔)