南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

いなりんに会いにいこう

豊川稲荷の狐と、豊川の名物いなり寿司をモチーフにしたゆるキャラいなりんオカザえもん以来の地元キャラ応援がてら、新春やってなかった電車旅として豊川稲荷詣りを企画。

勘違いなのか、ルールが変わったのか、利用する豊橋往復きっぷのゾーン認識を誤って企画。以前は新城・長篠版を買えば豊橋から本長篠まで乗降できた筈だが、現行では豊橋ゾーンと新城ゾーンの各区間内でしか乗降できない。よって当初プランの牛久保で降りて長山から帰るパターンは棄てざるを得ず、豊川コミュニティバスを活用した本宮の湯は諦める。牛久保駅近くのコロナの湯まで入浴にこだわるのもやめた。

往路は新幹線

この名古屋豊橋往復きっぷ発売以来ずっとある新幹線利用タイプ。一度試してみたくて、通常の在来線用往復きっぷに往路だけ新幹線変更券(400円)を別途購入して乗車。鉄道興味とともに、アパートからの名駅アクセスでは豊橋への特快や新快と接続悪く、飯田線との繋ぎも考えると新幹線のほうがスムーズな点もある。名駅12系統は名駅周辺での道路混雑が懸念されたので、急遽上小田井から名鉄線のルートに変更。到着予定時刻は市バスとほぼ同じだが、鉄道のほうが断然正確。

まず広小路口で豊橋往復きっぷを求め、入場してから新幹線改札口前にて新幹線変更券を購入。市バスにせよ名鉄にせよ、大ターミナル駅で15分の乗換時間は危うげに思われたが全く余裕だった。往復きっぷと合わせ2千円で新幹線で豊橋に行けちゃうなんて、手軽だよな。

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こだま642号東京行きの自由席はガラガラ。これまた休日の特快や新快なんて座っていけないような混み方だし、停車駅ごとに扉から冷気が吹き込んで寒かったりする。400円足すだけでゆったり座れ、常に空調の保たれた車内で過ごせるこだま移動はクセになりそう。飯田線との接続も余裕あり。ちなみにこのこだま号は熱海に昼、東京へは13時近くに着く。東京まで乗り続ける客は恐らくおらず、2、3駅をポンポンと速く移動するためにこだま号は存在するんだろうな。だから追い越しの停車時間も問題にならない。

牛久保

前々から一度降りてみたかった駅。牛久保城址と「牛久保のナギ」というのが気になっていた。豊川市のおすすめコース牛久保のまちコースを参考に、午前の散策。

牛久保城跡

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1529年に築城され、1700年に廃城。扇状台地の端に造られた平城。塚のような小山以外痕跡はなにも残らず。

いなりん発見!! わーい

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豊川市街では消火栓にもいた。

牛久保のナギ

熊野神社の境内に生える巨樹。飯田線の線路も間近で十分車窓から見える位置なのに今まで気づかなかった。樹齢400年といわれる。ナギはもともと南方に植生し、この辺りで巨樹になることは稀。

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小一時間ほどくるり牛久保の町を散策。台地からの見晴らしがよい今川義元墓所、当地出身で武田信玄に仕えた山本勘助の墓牛久保城主牧野成定公廟など。わりと道路が拡幅整備され、期待したほど古民家や町屋は残っていなかったが、郵便局の隣にレンガ造りの近代風な建物が残り目を引く。

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道路標示に「豊川稲荷まで2.5㎞」とあり、30分ほどを目安に豊川駅を目指す。この県道495号は緩やかな曲線などが旧街道らしい。

豊川

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狐が舞い踊る駅前広場

ここからは、豊川市のおすすめコース平和コースを逆にたどる形で歩いてみる。

門前町

豊川の街に着いたら断然いなり寿司を食べる気満々だった。駅前に全然その気配がなかったので門前町に入ったら、突然観光客で賑わう参道が出現。

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豊川いなり表参道

入口でもいなり寿司よりうどんや定食のが目につき、ちょっと疑念を抱いているとヤマサちくわの販売店が飛び込んできた。開運ちくわまんって名前が桑マン(桑野信義)みたいだぞ?と魅かれて寄ってみる。たれは八丁味噌とチリソースの2種類あるが、おっちゃんは小声で「ここだけの話、ミックスがうまい」と薦めてくる。それにもノッて合わせてもらう。バンズは最近話題の「長崎角煮まんじゅう」のを使ってるから美味いという。見た目は中国のマントウみたい。

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開運ちくわまん

言われたとおり旨い。このたれってピリ辛どて丼の味だよな? バンズももっちりしてパンと饅頭の中間色。1個400円。

また、油揚げにタレを塗って焼いたおきつねあげというのも試してみた。

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おきつねあげ

こちらもジューシーで旨い。白髪ねぎの辛みが暫し口内に残る。この油揚げバンズに具材を挟み込んだものは「おきつねバーガー」というご当地バーガーなんだそうだ。商店街にはいなり寿司屋もいっぱいあって盛況だったけれど、オーソドックスにおいなりさんを食べるよりも新しいご当地グルメを試せてよかった。イイ感じでお腹いっぱいになり、いなり寿司はお土産に買ってくかな。

お土産といえば、いなりんグッズ。じつは欲しいものが商店街の店舗にないことに気づいていた。観光案内所へ回ってみると、嬉しいことに数量限定といわれた名鉄コラボのキーホルダーを発見。早速ゲットなり。

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豊川稲荷

お参りは10数年ぶりになるのだろうか。ソースで汚れた手を清め、厳かに参拝。

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豊川稲荷本殿

境内をゆっくり見渡すのも初めて。

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境内の裏手には、海軍豊川工廠の空襲で亡くなられた勤労動員の女学生らを慰霊する碑がたつ。こちらも丁寧に合掌。

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豊川海軍工廠戦没者供養塔

桜ヶ丘ミュージアム

快晴のわりに風が強く、しばし吹き曝しを避けたい。豊川の古代から現代までの歴史を展示した郷土資料室や美術展の絵画を鑑賞。とくに豊川海軍工廠の資料や空襲で犠牲となられた女学生の遺品などは興味深かった。屋外のグラウンドでは少年野球などの歓声が響く。

豊川公園

佐奈川堤防から陸自豊川駐屯地(豊川工廠跡地)を伝って豊川公園へ。ジオスペースプラネタリウムは休演中で図書館だけ覗いていく。

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平和の像

こちらも豊川工廠の爆撃で亡くなった人々を慰霊する像。乙女は天平時代の女人をかたどったものという。嘗ての工廠跡地の北面に位置する豊川海軍工廠平和公園および平和交流館は、アクセス不便により今回は断念。

諏訪町より名鉄豊川線豊川稲荷へ戻る。単線だが1時間4本もある。ちなみに「いなりんキーホルダー」表面の駅名標はこの諏訪町駅。左に八幡、右に稲荷口ってのもどこか縁起が良い。

昼に食べそびれた惜しさから一口だけいなり寿司を土産に買ってこうかと門前町へ戻るも、売れ残りっぽくて気が引けた。町をぐるりと周ってプリンシェイク飲んで帰途につく。大垣行き特快ではほとんど転寝。モチーフのいなり寿司食べなかったのは少し残念だけど、その分グッズを買っていなりんを応援できたと思う。

 おわり