そ、そ、そんなの、邪道だああぁぁ…
まぁ待て、食べてる方がいらっしゃる。
今まで幾度となく大碗拉面を食べてきたつもりだけど、白っぽい半透明のスープしかイメージない。またカレー粉がテーブルにあった記憶もない。まぁ断言してしまうとあれだから、少なくとも気に留めたことはない。カレー粉といっても味も匂いもそれほどしないというから、ターメリックパウダーみたいなスパイスなんだろうか。夏場の兰州味は食べ続けるとくどくて飽きやすいから、いろいろ工夫しているのかもしれない。中国人の舌も肥えてきて味変とか考えるようになったのか。兰州拉面も進化するんだな。
あんまり納得しなかったので、百度で「兰州拉面 咖喱粉」と検索してみた。たしかに咖喱粉を調味料に加えた兰州拉面レシピなどが並ぶ。さらに調べてゆくと、こんな定義が挙がってきた。
兰州拉面和河南拉面区别如下所示:
1. 兰州拉面是清汤,河南拉面是咖喱;
なるほど!咖喱スープは河南拉面というのか。元来河南省は、人口に占める回族の割合が全国的にも高い地域なので、回族の清真料理と漢族の味覚が融合しやすいと思う。烩面だって、もともとは西方系のトマトスープの回面だったのが、いつのまにか河南名物になっているし。河南拉面もそうした流れで生まれたのではないか。
つづきを見てみよう。
2. 兰州拉面是耗牛肉,河南拉面是水牛肉;
3. 兰州拉面口味比较淡,河南拉面口味比较重;
4. 兰州拉面在全国的分布比较广,河南拉面只分布在河南北部和上海、江浙地区。
兰州拉面は薄味、河南拉面は濃厚。さっき漢民族の味覚に融合とか言ったけど、全然中国全土には広まってないんだ。河南拉面の分布域はたぶん農民工の進出地域じゃないかと思う。河南は言語や食文化的には北京寄りだけど、出稼ぎ先は上海方面が多いと聞いたことがある。こうなるとご当地グルメだね。
てなわけで、私が日ごろ开封明伦街の兰州拉面で食べてたトマトスープの烩面や清汤の大碗拉面は清真の正統派だったっちゅうことだな、安心。そして前掲のブログのお店も正統の清汤で提供しつつ客の好みで河南拉面にも変えられますよ、ってことなのかもしれない。もう既に食べてるかもしれないけど、河南拉面も改めて意識して食べてみたいとは思う。
(やっぱり邪道だったんじゃねえかヨ)