南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

城壁皇帝

河南大学明伦校区を取り巻く近況と展望について調べていると、こんな記事に遭遇した。
news.dahebao.cn
聞き捨てならない一文を見つけた。城壁の保護・改修のために、河南大学明伦校区および铁塔公园の一部の建造物を取り壊したというのだ。大学や公園は城壁と互いに支え合い、持ちつ持たれつの関係を保ってきたんだ。それを邪魔者扱いとはいったい。

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城壁を活用した大学東門

宋の都开封にとって、現存する城壁など明清代のものに過ぎない。たしかにこれまでの時代では、城壁を壁の一部にして家を建てたり、レンガを持ち去って建材にしたりと粗末に扱ってきたことは否めない。しかし、保護・改修の一環と称して城壁の周りを須らく蹴散らすような真似もいかがなものか。そんな偉いんかい、明清城壁のくせに。また将来的に、この城壁で日常と非日常を隔てることになる(老城内をテーマパーク化する構想がある)と思われ、より一層市民にとって身近な存在からかけ離れていくことになろう。まるで民には手の届かない天子のように。これまでAAAA級観光名所のような観覧料収入にならないことから放置され、逆に人民社会の中で街や生活の一部として息づいてきた城壁を、いきなり市民から取り上げ手厚く保護し出したら一人っ子政策の小皇帝みたいに見えてくる。時代によって立場は変わるものだけど、当の城壁どのはどう思っているんだろうな。(手のひら返しやがって...)