老河大&明伦街のほうがショックでかすぎて看過しちまいそうだけど、同日に知った事実だからちゃんと記しておく。
开封客运西站が今年1月25日を以て閉鎖された。当ターミナルを発着するバスは以後、市内各所の大ターミナルへ振り分けられる。1989年に営業を開始した开封西站は、32年にわたる歴史に幕を閉じた。
中心站(火车站对面)に次ぐ、开封市No.2の长途汽车站として対外交通を担ってきた。発着路線は主に省内の近辺都市向けで、中心站を補完するものが多かった。中心站に比べやや低質のバス車両は目についたが、同じ行先でも中心站発着より運賃の安い路線があった。たとえば新乡(Xinxiang)は、中心站からだと37.5元なのに、西站は32.0元。ただし、中心站発着は新乡火车站最寄りの总站とを結ぶのに対し、西站発着は駅から離れた新乡东站へ着く。それでも市内移動が市バス1元だと考えれば、断然お得。また、许昌(Xuchang)へも中級車さえ厭わなければ中心站発着より安く行けたはず*1で、开封人はよく西站利用を勧めてきた。実際に利用したのは新乡、郑州(郑开城际公交)と中牟(Zhongmu)ぐらいだけど、尉氏(Weishi)の発着が多かった気がする。尚、呼び方は通常「西站」でいいのだけど、正式名称は汽车西站なのか客运西站なのか終始定かでなかった*2。晩年は龙华汽车西站といったのだね。
留学時から営業していて常用した汽车站のうち閉鎖されたのは、相国寺站につづき2つ目。
2015年以降は相国寺站の担当だった祥符区(旧:开封县)内乡镇路線も引き継いでおり、岳飞庙などで知られる朱仙镇へも西站から発着していた。今チラと調べると、西站閉鎖後は中心站から朱仙镇行きが15分間隔の流水*3で出ている。運賃は6.5元、思ったほど値上がってない。
ところで、西站閉鎖後の発着路線は市内各ターミナルへ振り分けるとあったが、現在私の知る限り、开封市で営業中の主要汽车站は、中心站と东站しかない。中心站は数えきれないほど利用したが、东站は存在こそ知っているものの一度も利用したことない*4。また、留学当時の地図には北站(铁塔公园対面)や长青汽车站(城壁南東、小南门やや東)などが記されていたが、既に運用を終えていた。在住中には金明汽车站(宋城广场南)が新設されるも、ほぼ郑开城际公交のみの発着(焦作(Jiaozuo)があったかな)で、今はたぶん放棄されてる。あと思い当たるのは、郑开城际铁路宋城路站に併設されたターミナルが中近距離バス路線を扱うようになったかもしれないくらいだ*5。そもそも近年の帰郷旅行は开封出入を高铁や城铁に頼り、汽车站をあまり利用しなくなって十分把握できてない。西站を最後に利用したのも、2014年の中牟往復なのだから寂しい限りだ。
ものすごく薄暗い售票处と候车厅、赤文字の電光掲示板が印象に残る。
さて、何故いま西站が閉鎖されたか。
一つには相国寺站のときと同じ、市街地中心部への大型バス進入をなくすためだろう。これまで幾度か書いたと思うけど、鉄道駅や長距離バスターミナルはなるべく都市外周や郊外に置いて、中心部へはタクシーなどの小型交通や市バスを利用するべき、というのが中国の大都市の理想像だと思う。私鉄が発達した日本とはちょっと事情が違う。西站は城壁間近で繁華街とは離れているとはいえ、現在の开封市外周からは随分奥まった位置にあたる。いまや交通渋滞が起きるほどに自動車の増えた开封では、長距離バスの流入は混雑を助長する。
二つには、マイカーの増加による長距離バス需要の減退があるだろうな。私の把握する限り決して十分とは言えないような現存ターミナル数であっても閉鎖を敢行するあたり、方面数や発着便数の削減も同時に行われたに違いない。また、高铁や城铁の開業により郑州や周辺都市への高速鉄道移動が著しく向上したことも影響しているだろう。长途汽车自体がそもそも時代でなくなってきているのかも。ただ、朱仙のような近隣乡镇向けは引き続き維持していかないといけない。
そして三つめには、現在急速に進行中の老城内整理事業の一環だということだ。あの歴史的由緒ある河南大学ですら追われたのだから、公共施設にも容赦なくメスが入ることだろう。开封博物馆も移転したしね。今後は中心部に残る、老朽化した病院あたりが退去勧告の対象となるのかな。30年余という年季の入った西站も、不本意な処分のようで実は潮時、大往生なのかもな。私の知らない年月を含め、長い間お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。再见,开封西站!