南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

アベノモニフクス

事件から半月が経ちました。凶弾を受け亡くなられた安倍晋三元総理に敬意を表し、あらためてご冥福をお祈り申し上げます。
安倍さんが亡くなられた直後、国内外から相当数の弔意が寄せられたのはその人柄と外交姿勢が評価されたからだといわれる。とくに日本人にとっては、コロナ禍という未曽有の国難を国民とともに直面し、賛否両論渦巻くなか対応策を講じた、いわば同志のような親しみがあるからだと思う。生前あれだけ揶揄されたアベノマスクも今や遺品か。
事件に対する基本的見解は、ひろゆきさんがほぼ代弁してくれたので個人的には早々に消化していた。
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ただ、半月経ってみると事件の風化は思ったより早すぎやせんか。事件直後はあれだけ「銃声を繰り返し再生するな」だの、「一人で動画を閲覧するな」だの注意喚起していた割に、いつしか矛先を統一教会に変えて、元総理の死もSPの不手際も”無敵の人”の危険性もすっかり風化してやしないか。もはや我々は衝撃事件に対する免疫がウイルス並みに進化しているのではないか。
はじめ、山上容疑者は結局目的を成就できずに終わったのではないかと思った。それは個人的恨みの矛先(統一教会)を攻撃する執着心が徹底していないからだ。母親の妄信によって人生を狂わされた教会に対する恨みが強いなら、いかなる手段を用いてでも教祖や教団幹部を狙うべきで、メッセージビデオに出ただけの関係者に過ぎない安倍さんへ照準をずらすのは芯の弱さだろ。20年におよぶ積年の恨みとでも言いたげな供述はしかし、脆弱な言い訳に聞こえた。
けれど、こうも考えられる。容疑者が不遇の歳月を過ごした約20年間はすなわち、(第1次と第2次の間に民主党政権とか挟むけど)安倍政権時代と結構重なる。つまり政治は不遇の自分を救わなかった、そればかりか憎き教会の協賛者であった、本人がそう気づいたのなら照準は最適だったことになる。暴力は如何なる解決ももたらさないが、容疑者の心的救済に関しては一定の達成を見たのかなと。
とりあえず今日までに考えたことは概ね吐露したので、統一教会が始末されるまで見守りつつ、安倍さんの安眠を祈りたい。