南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

腊肠(腸詰め)の思い出

腊は、部首的にxiとかcuとか読みたくなるけど、là。覚え直しておこう。
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留学2年目の冬にお世話になった、黄さんの手料理が思い出されて懐かしかった。
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甘いというか、酒の香(酒粕)のような味がしたな。自炊できない環境に過ごした為スーパーの食材にはあまり留意しなかったものの、一般市民の家でご馳走になる機会はちょいちょいあったので印象的な手料理は覚えている。マントウに甘味のない餡子を詰めた自家製あんまんもその一つ。
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黄さんは、河南大学のキャンパス内で独学で日本語を熱心に勉強していたおばさん。別の日本人留学生から「キャンパス内で声かけられた」といって紹介された。その方が体調を崩し帰国されてからは、私が日本語学習を手伝うようになった。服務員に断わって、留学生楼のロビーで黄さんの持参した日本語テキストを読むなどして小一時間ほど教えた。クリスマスには、あの濃厚バタークリームケーキを贈られたことも。そして冬期休暇に入ったある日、家へ招かれたのだ。ちょうど今頃だな。
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腊肠をはじめとする黄さん自慢の料理で連日もてなされ、食後に寒さと睡魔を堪えながら日本語学習にお付き合いした。勉強だけじゃなくて一緒にテレビを観てくつろぐ日もあった。
西安旅行を経てからは風邪を悪化させたこともあってお宅に伺うことができず、料理をデリバリーしてくださる黄さんを邪険にしてしまう、今思えば大変失礼なことをした。
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帰国間近な時期の風邪で打ちひしがれていたのかもだけど、自分の身を案じて食事を届けてくれることに素直に感謝すべきだったな。別れは唐突にやってきて、自家製ソーセージ - 南蛇井総本気の日が最後。母が小包で送ってきた日本文化の本を差し上げた。下の絵は黄さんから戴いたと記憶している。嵩張りすぎて日本へ持ち帰れず、写真にのみ収めて部屋へ置き去りにするほかなかった。

贈られた絵

当時の記事を開きながら色々思い出していたら、河南弁の声調で自分の名を呼ぶ黄さんの声が聞こえる気がした。ほんの短い間だけど、まるで親子のように接してもらって今感謝している。