南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

う、埋めたのか⁈包公东湖

今月、サイドバーのサブブログコーナーを解体して中国・河南コーナーに変えた。記事の文中に平然と周知かのごとく中国河南省の地名を散りばめているが、当然馴染みのない読者が圧倒的に多いと思われるので随時地図を参照できるようGoogle Mapを、开封市を基準点として設置した。开封は河南省の概ね真ん中に位置するので、河南の地名であれば徐々に視野拡大で探していただけるのではと思う。補助として、地級市一目瞭然の図もつくりたい。また、このブログについてに掲載していた、开封帰郷旅行一覧を移設。まだまだ河南再訪が叶わぬなか逸る気持ちを抑えるべく、河南にまつわる様々な情報を拾ってきて記事にしている(河南雑記帳カテゴリ)。
GoogleMapを設置するに際してふと、航空写真で开封を眺めてみた。併用している百度地图やiPhoneアプリの航空写真と違って、Googleのは割と頻繁に更新される。それだけにちょっとご無沙汰している間に、都市開発の著しい中国河南は激変して筆者を驚かすことがある。今回もまた、2点ほど衝撃を与えられた。
まずは恒例の、明伦街。これは昨年逐一変容を追ったため、想定と覚悟はできてた。

开封明伦街(Google Map航空写真)

昨年9月、河南大学創立110周年記念式典を前に、高層住宅解体工事が終わって通りを植樹した時点の映像を見ている。
jaike.hatenablog.jp
画像中央にぽっかりと広がるブルーシートの敷地。ここに留学中慣れ親しんだ店やお世話になった旅社などがあった。記憶の中にしか帰ることのできない現実。そのうちメモリアルギャラリーつくろう。

で、本題のショック(その1)はここから。

包公东湖 on Google Map

一瞬見間違いかと思った。开封明清城壁内の南西部に位置する湖、包公湖。一般に迎宾路を境に東西に分けて呼称し、包公祠(湖西端)のある側を西湖、迎宾路から中山路にかけて(开封府のある側)を东湖という*1。その东湖が宅地撤去現場と同じようにブルーシートで覆われてる!まぁ一面覆われているというには語弊あって斑だけど、少なくとも湖水の影が一切なく包公湖を知らない人が初めて見たら解体工事現場と同じにしか映らない。もしや、埋めたのか⁈(まさか、新幹線じゃあるまいし)
この時点で西湖のほうは湖面こそ緑に濁っているが、水は残っているように見える。もし埋めたのだとしたら、どれだけ大胆な大改造を施していくんだ、と開発の在り方をも疑うところだ。
調べてみると、この工事は开封市古城区河湖水系水生态修复工程などと呼ばれ、概ね昨秋に行われた。东湖が先行し、つづいて西湖でも施工されている。水路等を堰き止め排水して干上がらせ、湖の生態系を保護し湖水清浄や湖岸整美を目的としているという。
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すっかり水を抜かれて一面泥の湖底に重機が入り、浚渫でもしているのだろうか。下は、つづいて西湖の水抜きが行われる様子(11月)。包公祠(包拯の祠)の周りで湖底が露出し始めている。そもそも生態系保護というけど、生息していた魚たちは工事中ちゃんと採収されてどこぞに移されているのか。
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そういえばこの光景、最近見た記憶あるな。
tpakira.hatenablog.com
失礼ながら閲覧当時あまり深く気に留めなかったけど、脳裏の片隅にかろうじて残ってた。ブルーシートにショック受け、いま改めて拝見した。12月とのことだけど上掲の動画と同じく、东湖はまだ干上がって工事中、西湖は水抜き中の状態と思われる。西湖を堰き止めていると思しき西司桥の下で、大宋御河(龙亭杨家胡と包公湖をつなぐ水路)から水が流れ込んでいる画像があり、工事が終わって注水しているようにも思えるが今年2月頃にまだ湖底を掘り返している情報があるので、堰き止めている大宋御河の水位が上がって暴発しないよう調節放流じゃないかと思う。
何にせよ包公湖の歴史の中でも非常に稀な光景だと思われるので、間近に接した方は貴重な体験だと思う。非常非常稀罕的奇观。
jaike.hatenablog.jp
この工程は开封古城区の河や湖で行う見込みで、現在は铁塔湖で施工中のようだ。
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今月8日付の映像。すっかり干上がった湖底にボートはともかく、小さな椅子が転がっているのは謎だ。これも铁塔や河南大学キャンパスを背景にして眺めると、奇観だよなぁ。

*1:3分することもあるが、個人的に中湖は聞き馴染みなく、中湖と东湖を合わせて东湖だと思っている