南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

九州筑肥の旅 2:佐賀

九州筑肥の旅 1:福岡よりつづく)
福岡から、佐賀を横断して長崎へ向かう一日。18きっぷを活用した移動日ながら、佐賀の要所をきっちり観光する。

朝の福岡

ウォーミングアップに行っときたい場所があり、コンビニでおにぎり買って地下鉄七隈線を橋本方面へ。桜坂駅より徒歩30分程度で往復できるとみた、南公園西展望台だ。福岡市街や博多湾を一望でき、夜景スポットとしても評価高い。今回の福岡では、高層ビルや福岡城天守など眺望の良いところへ登る機会がなく、早朝の短時間で行けそうなとこを探した。
桜坂駅からすぐ急勾配がつづく。桜坂山手通りはくねっていて近道もない。おまけに山手通りから展望台へ直結する階段は封鎖されており、南廻りに駐車場へと迂回する羽目に。小雨もパラついて予定より到着が遅れた。

福岡市街と、後方に博多湾

ちょっと慌ただしいけど、ヒルクライムして景色眺めながらの朝飯は美味い。下り時間を見込みつつ目いっぱい休憩。
この下りで本旅一番の大失態を犯した。近道になりそうだと地域住民向けの階段を下ったとたん、完全に方向感覚を失った。住宅街ですっかり道に迷ってしまった。地形に沿って曲がった道が多く、どう行けば地下鉄駅に出られるのか見当つかない。JR博多駅で計画通りの電車に乗れなければ、今日一日の日程が完全崩壊する。顔面蒼白で迷いながら小走り。ホント運よく六本松駅へ脱出成功。大ターミナル駅博多で、地下鉄とJRを乗り継ぐ最低限の時間となりそうな電車にギリギリ間に合った。車中では、博多駅の七隈線ホームからJR改札口までの歩行経路をひたすら調べてイメトレ。今春延伸を果たした七隈線の博多駅ホームは地下5Fと最深部にあり、JRとの接続距離がやや長い。6分とも10分ともいわれるなか、経路を素直に速足で辿った結果、5分程度で駅前広場に出た。いったん改札口を確かめた後、あらためて駅ビル仰ぐ余裕あって良かった!

JR博多駅

一人旅でのJR九州デビュー、JRグループ全6社乗車を果たした*1。通勤時間帯のさなか、鹿児島本線鳥栖への半ばまでは座れず。快速でなく各駅停車を選んだのは、長崎本線と接続効率のため。博多から小一時間で吉野ヶ里公園に着き、コーヒーブレイク。

長崎本線沿線に望む、背振山地

吉野ヶ里歴史公園

佐賀といえば吉野ヶ里、青森の三内丸山遺跡と並び人生一度は行っておきたい遺跡の一つ。吉野ヶ里丘陵の上に広がる、弥生時代の大規模な環濠集落跡。JRなら名のとおり吉野ヶ里公園が最寄り駅とされるが、公園全体としては隣の神埼との中間に位置し、帰りは西口から神埼に出てもいい。メインゲートと思われる東口へは、吉野ヶ里公園駅から1キロほど歩く。たまに目を引くような特急電車が通過する、長閑な田園。
遺跡は、想像してたよりデカい。とにかく吉野ヶ里の広大さを甘く見ていた。巨大な動植物園かアミューズメント施設のようなメインゲートに大げさと感ずるも、もはや古代都市に匹敵する広さを思い知ることになろうとは。時刻さえ合えば園内バス利用も検討したほど。入場料460円、天の浮橋を渡り弥生時代へタイムスリップ。猛暑を和らげる散水は、時代を隔てる霧の演出ではない。

環濠入口

駅からの道のりも相まって暑さに参り、早々に弥生くらし館へ駆け込んで涼みがてら見学。吉野ヶ里遺跡の地形や成り立ち、南のムラのあらましと特徴の変化などを知る。また、出土した巨大な甕棺も展示されている。

祭壇から望む、”南のムラ”風景
南のムラ 復元された竪穴住居と高床倉庫

集落全体が真っ平らではなく、少しずつ高低差あるところに建物が点在している。これも見疲れの要因。

竪穴住居内部

自分のワンルームより広そうなのと、この時期でも通気性良くて案外快適。ちなみに、中での飲食可能な住居もある。

高床倉庫内部
倉と市

吉野ヶ里のクニの交易の中心地と考えられている。高床倉庫が整然とならび、市を合図する太鼓を据えた市楼が建つ。
吉野ヶ里遺跡は、はじめ丘陵南端に集落が発祥し、その後中国大陸の影響を受けて「北に上位、南に下位が居住する」構造が築かれクニへと発展した。ここから先、一般人が住む”南のムラ”や”倉と市”エリアとは様相が一変し、祭祀や政治を司る中のムラへと進む。

ひときわ高い城柵や深い壕に囲まれた、北内郭

吉野ヶ里集落で最も神聖な場所。巨大な祭殿や物見やぐらなど特徴的な建物が目立つ。

北内郭の様子
再現された祭祀風景
最高司祭者の住まい

当時にして目隠しや間仕切りの充実が特徴。

王と支配者層の住む、南内郭
王と家族の住まい

見学順路を大まかにいえば、やよいのみちひみかのみちを辿って、環濠遺跡を南北に時計回り状に巡ったことになる。時間的にそれで精一杯だった。北内郭後方の墳丘墓や甕棺墓列まで至れなかったのは、惜しい。しかし、遺跡自体が人里離れた丘の上に位置し、森林や芝生広場などの緑地に接していることから現代としっかり隔絶され、充実した復元建物により弥生時代を存分に体感できるのは素晴らしい。遺跡を親しみながら理解するうえで最良の環境だ。徒歩1時間半にギリギリ凝縮されていて、濃密な時間を過ごせた。
長崎本線の普通列車は限られる。やや時間を押しながら南内郭に粘ったため、もと来た道を吉野ヶ里公園駅へ急ぎ足。最後はまたも走って滑り込み乗車。

佐賀市

JR佐賀駅

吉野ヶ里以外に余裕があれば歩いてみたかった、佐賀の城下町。幕末志士が活躍した薩長土肥の一つとして名高い。無数のクリークが巡る水の都だと、中学か高校の教科書で読んだことがある。有明海に面した鍋島干拓地も見てみたい。

シシリアンライス

佐賀のご当地グルメで、ごはんの上に炒めた肉と生野菜がのりマヨネーズがかかった料理。
sagabai.com
tabelog.com

着いたら早速食べようと、駅近の味彩おかもとへ。高架下の居酒屋だが、ランチ500円の触れ込みは惹かれた。ところが、常連向けなのか大将の愛想ない対応と、お品書きにシシリアンライスが見当たらないことから「入る店間違えたみたいッす」と速やかに退出。バスターミナルで暫し凹むも、他店を模索しながら佐賀城方面のバスに乗る。そこで新たに挙がったのが、さがんれすとらん 志乃 県庁店。食事目的で県庁へ入っていくのは不思議な気持ちだ。しかし、佐賀県庁最上階は展望ホール SAGA360という観光スポットなのだ。

SAGA360

この絶好なパノラマビューを目の当たりにしながらの、シシリアンライス!

伊万里牛シシリアンライス

おもにパリパリとした生野菜をもりもりと、ライスといっしょに食べるのは新感覚。駅前で諦めないで良かったぁ。

佐嘉神社

鍋島家に伝来した品々を展示する、徴古館(休館中)

幕末の藩主鍋島直正公・直大公を祀る佐嘉神社。肥前佐賀藩は長崎に程近いため、江戸幕府から福岡藩と1年交代で長崎の警備を命じられ、藩財政に大きな負担となっていた。10代藩主・直正は藩政改革を行い、長崎警備の強化に向けて独自に西洋の軍事技術を取り入れた。西洋式大砲や蒸気船の製造にもつなげている。幕末、明治維新において直正が育てた人材の活躍は大きく、薩長土肥の一角を担うことになる。

佐賀藩鋳造の鉄製カノン砲(復元)と、佐賀の七賢人

柳町

佐賀城城下町の一角で、紺屋川と裏十間川に挟まれて東西にのびる町。真ん中を通る長崎街道に古い家並みが残る。

水運も行われていたという、紺屋川
かつては倍の幅で小舟が往来したという、裏十間川

とうとう辿り着いた佐賀イメージのクリーク!

旧福田家(通小路)
のちに九州五大銀行のひとつとなる、古賀銀行
旧牛島家
旧中村家、旧久富家
旧三省銀行と、旧古賀家庭園

さながら江戸期から明治にかけてタイムスリップしたかのような柳町通りは、佐賀市歴史民俗館として邸内なども見学でき、往時の繁栄ぶりを垣間見ることができる。呉服元町バス停より佐賀駅へ戻る。昼食では臨機応変を迫られたが、結果的に観光まで首尾よく3時間で収まった。

佐世保

特急ハウステンボスを見送り、早岐行き普通(長崎本線から佐世保線へ入る)に乗る。車窓はしだいに雨模様。佐世保線の途中駅、牛津は赤レンガ調の駅舎が目をひく。YHで泊まってみたかった武雄温泉は、いまや西九州新幹線の接続駅。また、有田の町には煙突が幾本も立ち、焼き物の産地を実感する。
着いた佐世保は凌ぎがたいほどの雨。なんとか庇を求めながら、させぼ五番街に駆け込む。

佐世保港風景

佐世保での目的はただひとつ、佐世保バーガーを食べること。ドラッグストアで携行消臭液を買ったり、通信キャリアに勧誘されたりしながら、夕飯に相応な時間まで待つ。同時に、なるべく雨にさらされずに食べに行けるバーガー店を検索する。幸運なことに、駅東口直近のエスプラザに、レストハウス リベラが見つかる。造りはアメリカンバーテイストだが、ブレンドコーヒーにもこだわる喫茶店のようでもある。

佐世保バーガー

佐賀一日の締めにビールと洒落込んだわけでなく、普通サイズのバーガーとドリンクのセットメニュー。定番はコーラなのだそう。国産黒毛和牛がレタスの下に隠れてしまったのは残念だが、そこらのマクドナルドとは一味違う米国文化を堪能できた。昼の伊万里牛から和牛グルメ連発。ちなみに、佐世保名物レモンステーキも新たに気になる。

諫早

佐世保を出たときは電車だったよな、と思ってたら、大村線ハウステンボス駅から先は気動車に切り替わる新性能車両らしい。雨と闇夜でほとんど車窓は望めない。西向きの海岸線を走るので夕陽期待だったと思う。

ハイブリッド車のYC1系

下り立った諫早はほぼ豪雨。コンコースのコンビニで朝食を買うなどして小康を待つも一向に衰えず、ホテルへ向かう。ところが、ホテルと真逆へ出て見込んだ時間を歩いてしまい、一向に川に行き当たらず誤りに気付いたものの、足先はすっかりずぶ濡れ。
【公式】諫早グリーンホテル | HOME | JR諫早駅東口より徒歩7分、男性サウナ無料、貸会議室有り。
本明川の堤防沿いに建つ、諫早グリーンホテル。連泊して長崎観光の拠点とする。併設のグリーンサウナ・大浴場は、外部利用も可能(当ホテルおよび提携ホテル宿泊者は無料)のため、一歩館外へ出る格好に。ほぼほぼ、広々とした銭湯。だけども、ゆうべはカプセルホテルのシャワーだっただけに、足をのばしてゆっくり湯に浸かり、一定の広さある部屋のベッドで休めるのは有難い。スニーカーよ、一晩で乾いてくれ。

九州筑肥の旅 3:長崎へつづく)

*1:レイルラボでは2005年夏のJR北海道を記録できない