投資資金の約9割を長年拘束し、最大で-80%くらいの含み損を抱えたこともある大本命様が、本日ようやくプラス転換の上ですべて売却された。銘柄コードは明かさないけど内容聞けば分かる人は分かる。2018年のお盆休みに軽い下心で買った少額が、処分に丸6年も要するとは想像だにしなかった。もともと癖の強い銘柄ながらデイもできれば時間かけても比較的高い利益をもたらしてくれるお得意様で、その愛着が余計に負けられない意地を煽った側面もある。ストリームを片付けた2020年秋から主力扱いとなり、一時は数十万の利益を目論み売り時を逃すのを繰り返した。幾度も相場に踊らされたうえ、資金を長期拘束されナンピンのために増資を余儀なくされた。上場廃止だの新株予約権の行使だのはすっかり聞き飽きてしまった。
大きく動いたのは先週月曜。先週火曜を除く4日間および今週月火の計6日(5日連続)ストップ高。月末である昨日午前ストップ安で調整からの午後プラス引け。キモいくらいの強い暴騰に、重い含み損もあれよあれよと吹き飛び、遂にプラスへ浮上。しかし経験値はここで懸念を呼ぶ。急騰するときの相場は概ね2週間。週末も月末も無視して継続する相場は、大口の一存で不意に止まる恐れがある。昨日のストップ安で5日平均移動線には絡んだものの、中期線や長期線からの乖離が酷すぎる。売値の目標値はまだ上だったが、今週中に捌かねばとの焦りが生じた。金曜寄り天も危うく、売り抜けるには今日しかない。今日のストップ高で指してあったものの、仕事中も気が気で仕方ない。専業投資家でないと常時マーケットを見れず、こういうとき物凄い焦燥に駆られる。早く楽になりたい。たまりかねて15時直前、仕事の合間に手近な価格へ指し替えて売り急いだ。引けにかけて強く買い上がったらしく、その波に呑みこまれるように約定した。せめて引け売りしてたらもう少し高値で獲れたというのは、後の祭り。約定通知をみたとき、長い闘いを終えた解放感や感謝など様々な想いで視界が霞んだ。
自己評価したいのは、大きく寝下がるたびに買い増して取得単価を下げ、救われるか報われるかのポジションを自分なりに想定して取ったうえでひと相場を迎える努力をしたこと。よく、投資でナンピンはダメ、損切りが大事といわれるけど、取得単価を上手に下げてあったからこそ直近の-60%から今回の連騰を受けて+15%で売り抜けられたのだと思う。正直今相場(8月1日現在継続中)で報われなかったら、少額取引で得た薄利に含み損分を切り取ってぶつけながら、資金を解放していこうとさえ思っていた。こんな癖の強い個人無視の銘柄でも、最後は努力する長期ホルダーを裏切らないんだな。重くのしかかる含み損を耐え、安いところを拾って単価を整えその時を待つ。高値で買って放置したまま株式併合を経て取り返しのつかない単価で迎えた暴騰にやおら無闇に期待する連中と違って、癖と向き合い正しく付き合った者に適切な機会をくれる。かけた年月の割には不本意な差益額であるが、そもそも投資額を1銭も失わずに回収できたことは大きい。プラスで終えたこと以上に、資金がそっくり帰ってきたことは嬉しい。まだ今年は5カ月もあるのだから十分利益を追求できる。失った時間を取り戻すべく、解放された資金をのびのびと使って稼ぐぞ、これから。清々しく新しい気持ちに切り替えて、再出発の日。同時に、
9399は今回で卒業、いったん決別しようと思っている。懐かしさと誘惑にかられて手を出さないよう気をつけたい。