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先日真偽のほどを調査した开封轨道交通、その同じWikipediaの一覧に信阳轨道交通も挙がっていた。信阳(Xinyang)市は河南省最南部に位置する地級市。河南の中で唯一、市全域が華南(淮河以南)にあたり、訪れたときも比較的湿潤に感じたところ。緑茶の銘品、信阳毛尖で知られる。
中華人民共和国の鉄道#建設中・計画中の都市

こちらも真偽を確かめてみた。結論からいうと、ほぼ架空鉄道案が氾濫していた。主に地下鉄路線網が多く創作されており、6路線ほど組まれているものが目立つ。公式な建設計画は見当たらず、希望が想像を掻き立てた結果、あたかも実現しうるかのようにWikipediaへ伝播したものと思われる。もともと信阳は省都郑州から最も遠く、工業力も経済力もそれほど際立って強いとはいえなかった。开封や许昌のように郑州地铁の延伸が及ぶわけもなく、同等クラスの大都市である武漢が省境挟んで近隣とはいえ、同市地下鉄の越境延伸が見込めるわけもない。洛阳のように単独で河南省3番目の地下鉄建設とは到底考えにくい、とは思ってた。
中国全土のなかでも比較的平地の多い河南省にあって、山や川によって市街地が狭隘がちなのも信阳の特徴だった。市中を流れる浉河と京广铁路に挟まれた細長い市街地が中心部で、概ね碁盤目状の他市と違って主要街路も曲がりくねっている。西に行けば浉河の源流、南湾ダム。南は湖北省との境を成す山地が迫る。そんな地理限界は一昔前の話。この信阳に地下鉄構想が自然湧出してくるのには、それなりに訳がある。一つは、東方への市街地拡大。京广铁路(信阳火车站)以東へ広がる羊山新区は、愛用の河南地図にも開発途上の区画として描かれている。現在ではすっかり都市開発が熟し、市街地は3倍ほどにもなった。市政府もいつしか羊山新区へ移転している。10数年前当時、東の環状道路のようだった中心大道は、平中大道と改称し、その名の通り新市街地の中心軸となった。开封の金明大道が同意義で建設され、だいぶ様になってきているのと似ている。さらに、新区の東寄りに高速鉄道の信阳东站ができたのも、市街地拡大を一層促進すると思われる。同駅開業は2012年なので、確実に拡大と成長を牽引する役割を果たしたろうと思う。2017年、第4回开封帰郷旅行(周口-驻马店編)の際に同駅を通り過ぎているが、羊山新区の車窓をもっと注目しておくべきだったな。信阳市は見違えるほどに東西拡張を果たしている。都市交通の要求が湧いても何ら不思議ではない。

二つには、明港机场の存在かな。これは信阳市中心部から北へ45km、驻马店市との境界に位置する軍民共用の地方空港。上海や成都など国内9都市と結ぶ航路がある。河南省でも数少ない地方空港の一つで、とくに省南部では南阳姜营とともに貴重な拠点だと思っている。ただ、如何せんアクセスが不便で、信阳・驻马店両市からエアポートバス(いずれも20元)が運行するのみである。先述の高速鉄道上にできた明港东站も全くかけ離れている。信阳~驻马店間の城际铁路も開通の気配はない。ここにエアポートエクスプレスとしての信阳地铁が通ずる価値はある。空の玄関口、明港机场と、高速鉄道の信阳东站が、一直線上とは言わないまでも市中乗り継ぎによる一交通機関で結ばれたなら、京广铁路と西南铁路が交わった信阳火车站を越える省南部の一大集散地になる、とは誇張か。ちなみに洛阳は、轨道交通2号线によって空港(北郊机场)と在来線駅(洛阳火车站)、高速鉄道駅(洛阳龙门站)の3点直通を実現している。位置関係上、信阳にその可能性は低いが、何路線も構築するより最小限に絞るなら叶わぬこともない。いずれにせよ、郑州から程遠く経済効果の波及しにくいと思われた地方都市、信阳で独自に地下鉄構想が希求されるほどの都市規模になってきたということは、河南全体の底上げが進んできている証しともいえるのでとても喜ばしい。