南蛇井総本氣

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南沙諸島紛争の原点と信託統治―期末レポート序章(再)

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 ここまで同学のレポートを批判してきた筆者も、発表が他人事ではなくなってきた。そこで本稿より、春学期のゼミレポートを、章ごとに全文或は要約してレポートでは記せなかった見解なども加えて公開する。これにより、改めて内容を把握しレジュメ作成と発表につなげる準備としたい。(尚、序章は8月1日公開済みの再修正版である)
 さて、本題に入る。序章は以下のとおり全文記載。尚、レポート題は本稿表題のとおり。
《 東・東南アジアにおける諸紛争は、冷戦と大きく関与している。南沙諸島紛争は、ポスト冷戦期になり域外大国の関与が薄れたことによって顕在化してきた紛争の代表例ともいえる。石油・ガス埋蔵の可能性によって、現在中国、台湾、ベトナム、マレーシア、フィリピンの5ヶ国が領有権を主張し、現在分割占領状態にある。東南アジアの各国が現在積極的に軍備の更新に努めている現状を考えると、同諸島の領有権問題は緊張要因として注意を要する。
 ところで、この南沙諸島における現在のような係争は、第二次世界大戦終了後に端を発する。即ち、1951年のサンフランシスコ平和条約では、日本の放棄のみを規定し、その後の帰属先が言及されなかった。なぜ、この地域は帰属先を規定されなかったのか。同様に日本領からサンフランシスコ平和条約を経た南洋諸島ミクロネシア)は、アメリカの信託統治領となった。このような処置が、なぜ南沙諸島に為されなかったのか。
 本稿では、サンフランシスコ平和条約の成立過程における南沙諸島の処理を検証し、信託統治化されたミクロネシアと比較した上で、領有問題を再考する。》
 発表を前提として序論を読み返すと、これまでの同学らの傾向からして、背景説明をより濃くする必要がある。例えば教授の添削指摘のように地図を要する上、現在の問題について詳細を一巡して解説せねばならない。要するに、調査した筆者と、学術専門家なる教授の間では、上記レポートの様で通ずるが、発表においては基礎部分の説明が欠かせないということだ。レポートは現行留置でよいが、レジュメの際には紛争説明に半ページ程度の加重を要すものと思われる。【2005/11/15/PM】