南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

南阳の玉石市場

たまに河南っぽい動画探そうと思って、
jaike.hatenablog.jp
動画サイトから気をひきそうなのをチェックしてたら、こんなのがあった。
www.bilibili.com
この動画自体にとくに内容はない*1のだけども、まず南阳に石佛寺ってとこがあるんだ、と。ただの地名に過ぎない場合も多々あるけど、南阳のどこかも知りたくて一応確認。镇平(Zhenping)县の县城西北すぐ近くに、石佛寺镇はあった。百度百科に、

・地名由来
明初成村,村西有唐代所建石佛寺得名 [2]。

とあるので、石佛寺は実在するようだ。手元の河南省交通图册には、镇平县域内に菩提寺という観光名所が記されている。どうやらこれとは別物らしい。镇の西側に目を凝らして地図睨んでたら、じつは町のど真ん中にあった。当たり前だけど明代より町はずっと拡大しているし、镇政府も老城(旧市街)に置く時代じゃない。というか、镇平县城との距離からして一個镇をキープしているほうが不思議で、いずれ併呑されて”镇平县城西郊(乡)”とかになるよな。第二次南阳編はもう完成して、邓州,内乡,社旗の3県を巡ることで固まってるけど、镇平石佛寺もちょっとスルーしがたくなるな。百度地图に投稿された石佛寺の画像を見ると、煌びやかな仏様が窺える。

镇平石佛寺界隈

ところで、先の動画では「南阳石佛寺の玉器市场へ行く」と言っている。この南阳石佛寺の玉石市場は、(中国)全国的にも有名なのらしい。上掲地図の中央部に国际玉城というのがある(むしろ国际玉城の片隅に石佛寺があるともいえる)。市場を撮影した動画をチラ見すると、翡翠などを扱う専門店が犇めいている様子が垣間見える。まさに”玉石混淆”、高価なものから紛い物まで揃っているんだろうなと。
考えてみると、石佛寺って元来、ただの石から彫り出した仏像ではなく、珍重な玉石を用い精巧な彫刻によって生み出された高貴な本尊だったのかなと。玉佛寺ってのも各地にあるけど、おそらく同義なんだろうなと気づく。
玉雕は石佛寺镇の主力産業であるらしい。

工业
2011年,石佛寺镇工业以玉雕为特色支柱产业,工业总产值达到36.8亿元,比上年增长20%,工业增加值占国内生产总值的27.8%,规模以上工业企业30家,职工1.86万人,实现工业增加值12.7亿元,比上年增长2.3%,有玉雕、人物、炉薰等种类专业村14个,专业市场4个,产品主要有饰品和摆件两大系列十大类近5000个品种,玉雕从业人员近2万,各类玉雕加工企业(户)4000多家,同时,玉雕产业的发展带动了奇石、古玩、字画、瓷器、骨雕、角雕、铜制品等,以玉雕为主 [2]。
石佛寺镇(河南省南阳市镇平县下辖镇)_百度百科

加工品の生産販売だけでなく、玉石市場の全国周知は観光資源にもつながる。玉文化博物館というのもあるらしい。ここは特異な例かもしれんけど、農業に依拠しない産業が一つでもあると、財政の安定と向上に寄与するよね。インターネットは間違いなく玉石市場の知名度アップに貢献しているし、現地へ赴くだけでなくオンライン販売やオークションなども伸びるよね。もちろん、玉石混淆には注意だけど。陰ながら応援してます。

*1:サムネで背後に「商丘」が映ってて、なんか興奮。徐州から2時間ほど走って商丘のSAで撮ってるぽい