南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

星まつり

昨夜、名古屋市科学館の市民観望会に行ってきた。日が暮れるとやや雲の張り出した空になったが、望遠鏡はちゃんと天体をとらえていた。東の空に煌々と輝く月、西に沈みゆく金星、火星、土星。惑星は普段から情報を注視していないと旬を逃してしまう。いまこんなに出揃っていたのか。20時でもう建物に隠れてしまうほど低空の金星は、望遠鏡(100倍)を介すると半月に見える。少し離れて後を追う土星は衛星やリングまで見ることができる*1。ほか、夏の二重星の代表アルビレオを見せていただいた。
曾て、このイベントのキャスト側に立っていた時期もあって、懐かしさを覚える。大先輩の面々は暗い中でも見受けられたが、同世代の馴染みはほとんど居なかった。恐らく仕事の関係からだろう。
この観望会で最大の目当ては、科学館最上階の65cm大望遠鏡で天体を見ること。何故ならこれで夜の天体を拝むのは、今宵(昨夜)が最後なのだ。名古屋市科学館は来月末をもって一時休館に入り、来年リニューアルオープンする。新しい理工館と天文館が目下建設中で、現在のプラネタリウムドームの背後に球体の新プラネタリウムが出現(広小路通側から見ると圧巻)。ここに新たに80cm大望遠鏡が設置される予定だ。尚、現役の65センチはまだバリバリ稼働可能だが、次世代科学館の展示品となるそうだ。御岳休暇村の60cmは健在かな?
皆さんも大望遠鏡観望の最後をご存知か、1時間待ちという長蛇の列。白川公園の小型望遠鏡を覗いていても列は一向に解消されない。結局90分待ちでも並んだら、そこで締め切り最後尾組。危ういところだった。
久しぶりに科学館に入った。初めて真面目にHー2エンジンの説明を読んだ。生命館は潰さないので、これは残るでしょう。理工館2階の展示は自分の通っていたころから既に古臭さを感じていた。リニア模型など乗り物技術の展示どころなのに、歴史が止まっていて違和感があった。ところが、これが消えるとなると寂しさを覚えるものだ。そんな静かな展示場を通過して、屋上の天文台に上がる。
今回は月の表面を高倍率で観る。都会の真ん中でこんな高性能の望遠鏡を使ってクレーターを観賞できる。80センチでなくても贅沢なことだ。もっともっと親しんで、取り替えるなんて勿体ない、などと思われないぐらいにしたいものだ。私でもまだまだ。閉館までに「昼間の星をみる会」が数回ある。一人でも多くの市民に覗かれてから引退してほしい。
暫くぶりに観望会に参加して気分良好。とくに大望遠鏡の見納めができたのは感無量。「デュアル・ワンダー・アイ」。大望遠鏡の覗き口を二股にする部分をそう呼ぶのだったな。今朝ふと思い出した。

*1:ややピント不良。大勢が一度に見られる場の為、個人的な微調整はできないので仕方ない。