南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

対外的脅威とアメリカ

Nanjai2004-05-01
 ☆あかおにプロジェクト(ココログへの凶刃的コメント攻撃)総括特集☆
3月21日に実施した、ココログへのあかおにネームでの持論コメントをここにまとめて、特集としました。
 まず日本にとっての脅威とはなにか。北朝鮮の問題は認めるが、中国に対しても向けるのはわからない。日本の(外交的)思い込みである。市民にとっては、最近の外国人犯罪なんかを想像するかもしれない。それとも台湾へのとめどない圧力を非難してであろうか。国会に提起された有事法制関連法案も安全保障の意味は理解できるが、そこに仮想敵を見出してまで正当化する意気込みは不要ではないか。
 しかし、国民の多くが中国に対して抱く危機感は、国や生活の安全保障についてだけではない。むしろそれ以外のほうが強いのであろう。急成長を遂げる中国経済。日本の長引く不況への苛立ちと兼ねあって、恐怖心を抱き、身を固める。経済は競争ですから、競争以外のものにあてつけるのはやめるべき。
 話はヨーロッパでも同じ。いま、イラクで活動している各国の軍隊。アメリカはもちろんスペイン、オランダ、イタリア、ポーランドあたりが主流か。スペインでは、列車爆破テロを機に選挙結果が一転し、社会労働党政権となったが、アスナール前政権が必要以上にアメリカに追従していたというのは、訳がある。ヨーロッパでも特に南のほうは、経済的に厳しい立場にある。イギリス、ドイツ、フランスなどへ出稼ぎに行く国民もスペインやイタリアには少なくない。EU内での通貨統合が行われ、新通貨ユーロが出回り始めたころ、北欧と南欧の経済格差がかなり問題になったのだ。スペインやイタリアにとっての経済的脅威は、同じ大陸を共有する西欧諸国である。だからアメリカの政策を支持するのだ。アメリカ追従ではなく、西欧からの逃避というべきだろうか。
(この論はオランダでは通じにくいですが、オランダは昨年の今頃は鳥インフルエンザの脅威に見舞われていたので、その経済影響はあったと思います。)
 イラク侵攻に対するアメリカの大義が揺らいだことが、テロの影響よりも大きく選挙にかかわってきたと思う。同時に外交以外のファクターが取り除かれ始めれば、アメリカとの関係も変容するはずなのだ。結:対米関係は外交以外で形成される。【2004/03/24/AM】