南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

運を転に任せる(off)

あまりに悲惨だったので書かなかったが、昨日は90パーセント一人で機械を動かし、最終ケースで大量(約4000本)の不良を出してしまった。要再検品、である。これは、生産の倍以上の時間を要する。相変わらず、検品と原軸補充のサイクルが機械の回転に追いつかない。したがって、焦る検品が不良の見逃しにつながるのだ。汗をかいて、頭は一日中真っ白になりながらも、結局打開策が見つからないまま、今日を迎えた。
そして、今日は定時まで100パーセント一人でやらされた。当然昨日と同様になるわけで、昼までの3時間半がたった30分に感じられた。製品受けが何度も溢れかえり、そのたびに機械を止めざるを得ない。一度、激しい位置ズレが目立ち始めたので、これは早く気づき昨日のように大事には至らなかったが、修理で時間を失った。運転とは、運を転がるに任せるのだ、と半分笑いながら思った。
残業時、何とか機械を止めぬべし、とやっていると、やはり何度目かの暴発に遭った。そのとき班長に機械を止められたのだが、彼の検品でまた大不良が発覚した。大きな位置ズレであった。不良品を除けた後、班長直伝で検品の指導を受けた。と、これが自分の目を疑うほど、さらさらと製品が裁かれていく。まるで自分の手で為しているより、班長の術にかかっているかのようであった。「機械に追いつこうとせんでいい。溢れるときは止めろ」。なんとなく雰囲気から怖いというか厳しいイメージがあった班長から、直接このように指導されて随分とほぐれた。もちろん、自分もそう長い期間働くわけではないから早いとこ慣れてしまわないと、という焦り、がある。だからゆっくり慣れろ、では正直落ち着かない。それでも、少しコツをものにできた気がした。